［４−８］ ページ38
潤side
「かずー起きて？」
「あ……翔にぃ、いいよ。寝てるなら」
「大丈夫。だいぶ寝てるし。それに和から
潤が帰ってきたら絶対起こしてって言われたの」
「へ、そうなの？」
「そ。けど思ったよりよく寝てたかな。
顔色悪かったし、熱中症気味だったかも」
「ああ。俺が倒れたときもずっと突っ立ってたって
聞いてたから大丈夫かなって思ってたんだけど」
「そっか。まあ、1番の理由は
潤が心配で仕方なかったみたいだけどな」
困った顔をして話してくれる翔にぃを見れば
安易に和がどんな様子だったか、想像出来る。
それはそうだ。
目の前で兄弟が倒れた瞬間見ちゃったら
かなりの衝撃だろうし。
きっと迎えに来てくれた岡田くんも
すぐに帰ってきてくれた雅紀にぃと翔にぃも
ずっと和のことを見ていてくれたはずだ。
「ありがとうね、翔、雅紀」
俺の考えと同じだったらしい智にぃが
翔にぃと雅紀にぃへ優しく表情でそう言ってくれた。
するとふたりは智にぃみたいに柔らかい顔で
「こちらこそ潤のことありがとう」って。
俺を目の前に言われちゃうと
ちょっと恥ずかしいけど、まあいっか。笑
「それで潤、もう大丈夫？」
「あ、うん」
寝起きの翔にぃへことの事情を説明して
こぶができたところを見せる。
そしたら翔にぃも、覗き込んできた雅紀にぃも
「痛そう……」って同じ顔で眉を寄せた。
……そこまでは良かったのに。
「これ本当に大丈夫なの？」
「包帯とか巻いた方がよくない？」
「さすが翔にぃ、救急箱取ってくる！」
「えっ、いや、ちょっ、ちょっと待って！」
何故か途端に心配がエスカレートしだした
翔にぃと雅紀にぃを止める。
なんでうちのにぃ達はこうも
優しさが過剰になっちゃうのかな？
ああ、だから雅紀にぃ待って包帯要らないから！
病院でちゃんと処置してくれたんだよ？
ってか翔にぃも納得してないで止めて……！
「ふぁ、ふ……なぁ雅紀、それ湿布の方が良くね？」
……いや、違うわ。これ翔にぃまだ眠いな。
「とにかく大丈夫！
さっきも話したでしょ？ 何も要らないから」
「でも、相当痛いでしょそれ」
「まあ、痛いは痛いけど。
特に支障はきたさないから」
「ほんとかなぁ？」
雅紀にぃがまた俺の髪を優しく上げて、
たんこぶの部分を見つめてる。
んもう。
そんなに見たって変わんないのに。
っていうか見てる雅紀にぃの顔の方が
痛そうだから止めてよ。笑
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 391人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやりゅ。 | 作成日時：2019年6月19日 0時
