［１−３６］ ページ37
翔side
「なに？」
「なんか、翔がお兄ちゃんしてるなーって」
「お兄ちゃんしてるって……。笑
俺、これでも5人兄弟の次男ですよ？」
「まあそうだけど。
でも俺にとって翔も可愛い弟だからさ」
「なに急に。
やめてよ、恥ずかしいから。笑」
「んふふ」
俺を弟として見れるのは智にぃしかいないから
なんだかくすぐったい。
雅紀達の前では頑張って兄さんしてるから
こういうときに弟ポジになるのは抵抗があるんだ。
だって恥ずかしいじゃん。
それに智にぃの前じゃ気ぃ緩んじゃうから。
「それで、今日はどうだった？」
ほら、智にぃの優しい声。
いつも智にぃは弟全員の話を聞いてくれるの。
だから俺もすっかりその調子に乗せられて
ついでに美味しいご飯も乗っかって
ペラペラ今日あった出来事を話し始めた。
「それでそこのお父さんに褒めてもらえて」
「うんうん」
「それと来年には弟さんも受験らしくて、
また家庭教師、頼まれるかもしれないんだ」
「え、また頼まれたんだ。それ凄いね」
「うん。素直にそう言ってもらえて、嬉しかった」
なんだか自慢話になったなって照れくさくなってると
智にぃは俺を甘やかすみたいに笑う。
「翔はいつも、人のために頑張ってるね」
わ、出た。
お兄ちゃんの顔だ。
ずっと変わらないその表情。
昔っからのやつ。
和と潤はもちろん、雅紀が生まれる前からの。
智にぃと……
智くんと俺だけだった頃から、
ずっと変わらないお兄ちゃんの顔だ。
それ見たら凄い安心しちゃって、
恥ずかしくって「そうかな」しか言えない。
そしたら「そうだよ」って頭を撫でてくるから
驚いちゃって、目線が定まらなくなった。
「ふふっ。翔はやっぱり弟だねー」
「……なんでよ」
「えー？
だって、さっきの潤と、同じ反応してる」
「……うるさい」
からかうように頭をポンポンされたから
拗ねるみたいに智にぃの手から離れる。
今学んだ。
頭撫でてやるときはからかわないって。
きっと潤も嫌がると思うから。
褒め倒されるの、慣れてないもんな。
そうして潤の予想できる姿を浮かべたあと
慣れない気恥しさを紛らわすように
まだ少し残ってるご飯をまた食べ始めた。
ちなみに、その間もずっと笑ってた智にぃには
「口元緩みすぎ」ってほっぺをつまんでやった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 683人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - お返事ありがとうございます。私は潤くんが好きなので潤くんのお話も楽しみにしながら読ませてもらいます( ＾∀＾)これからも楽しみにしてます☆ (2019年6月7日 14時) (
レス) id: 2eccc29f15 (このIDを非表示/違反報告)
あやりゅ。(プロフ) - あいさん» あいさん、コメントありがとうございますm(*_ _)mご感想、本当に嬉しくこれからの執筆の励みにもなります！どうかこれからもあたたかい心で彼らのはなしをご覧いただけると幸いです(^^♪ (2019年6月7日 14時) (レス) id: 4f4f43ef84 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんにちわ、楽しく読ませてもらってます(^^)これからも更新楽しみにしてます☆ (2019年6月7日 12時) (レス) id: 2eccc29f15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやりゅ。 | 作成日時：2019年5月25日 0時
