似たり寄ったり時の中 ページ39
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「Aさんちょっとお時間いいですか?」
後ろからかけられたあまり聞きなじみのない声に振り向けば湧の元カノのみりちゃんが立っていた。
「大丈夫だよ」
授業が始まっているからか、人気のない廊下。
「あの、Aさん今幸せですか?」
なんの躊躇いもなくどっ直球にきた質問に頭が混乱する。
「即決できないってことは幸せなのかわかんないってことですよね。
それなら深田先輩と別れてください。
Aさんって依存体質ですよね。依存体質って時に人を不幸にするんですよ。
深田先輩を好きになったのってもう自分を助けてくれてそばに居てくれる人が居なくなることに焦って本能的に好きになったんじゃないですか?
それっていいように使ってるだけですよね?
私A先輩のこと大嫌いです。」
早口で告げられた言葉、でも分かってしまった。
あーこの子は嫌われ役を演じてるんだなって震える手をみて思った。この子はきっと心が綺麗な子で、純粋に湧に恋して心から愛したんだって。
「ごめんね、ごめんなさい。私が優柔不断のせいでみりちゃんまでを不幸せにした。そうだねっ、私人から幸せ奪ってるのかも、笑」
しっかりとみりちゃんの言葉は私の胸に突き刺さっていてみりちゃんがぼやける。
「あ、ごめんなさい、泣かせるつもりは…」
「うんん、私が悪いの、みりちゃんは何も間違ったこと言ってない、
みりちゃんの幸せも湧の幸せも竜生の幸せも全部私が奪ったんだね、
私自分の気持ちを押し殺そうとしてるつもりだったのに結局は自分の気持ちを1番にしちゃってた、っ!
結局は1人になるのが怖かったのかも、
みんなに嫌われて当然だねっ、」
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作者名:にゃん | 作成日時:2023年3月23日 18時