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この前のアルバイトの数日後。俺は確信をつきたかった。
｢深田、｣
｢え！珍し！初めて織山くん大学で見たかも！｣
と謎にテンションが上がってる深田。
｢はなし、あるんだけど、｣
｢なーに？｣
深田は優しい。こいつはAと似てる。
だから敵だとわかっていても嫌いになんてなれないんだ。
｢あのさ、Aちゃんと付き合ってんの？｣
｢織山くんはいっつもド直球だよね、笑｣
そう遠くを見て悲しそうに笑った深田に言わなければよかったって罪悪感が生まれた。
｢Aのこと気になんの？｣
｢いや、なんか元気ないなーって、｣
｢そこは直球で聞かないんだ、笑｣
やっぱりちょっとこいつは苦手だ。痛いとこを突いてくるとこもいっつも俺より上に立ってるとこも。
｢Aね、ずっと片想いしてた相手に彼女できたんだ、｣
｢あっ、これ秘密ね？織山くんだから言っただけだから。｣
｢別に、俺そんなん広める趣味ない。｣
片想いしてた相手なんて、俺も勘づいていて、
｢今日は湧がお迎え来てくれるんだ｣って幸せそうに笑ってたから
俺もAちゃんのその顔が好きだったから。
｢深田は？｣
｢え？｣
何言ってんのと言うように顔を顰めて俺を見てくる深田。
｢すき、なんじゃないの？｣
｢好きだよ、好きだから今の距離を大事にしたいの、｣
そこまで言うとちょっとだけ自信なく笑って、
｢まぁ、でもびびってるだけかもね、笑｣
そんな深田に俺の気持ちなんて伝えられなかった。
まぁ、初めからこの気持ちは誰にも伝えないって決めてたけど。
｢俺はAちゃんには深田の方があってると思うけどね、｣
俺のちょっとした強がり。
変わりゆく時間は周りの環境さえも変えてしまう。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
