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四十六話「真逆のカミングアウト」 ページ47

「探偵社にはいずれまた伺います。
その時、素直に七十億と死神を渡すなら善し、渡さぬなら……」


「戦争かい?探偵社と?良いねぇ、元気で」








いつのまにか私から離れている太宰さんが手をぽんっと叩いて云った。









「ふふ、やってみ給えよ、やれるものなら」








その時の太宰さんの目に光はなかった。
まるで体を突き刺すくらいの冷たい氷のように。
一瞬、ほんの一瞬だけ、体が凍ったように動かなくなった。
此れは殺気なのか?それとも









「零細探偵社ごときが!我らは町の暗部そのもの!
傘下の団体企業は数十を数え、この街の政治・経済の悉くに根を張る!」







樋口さんが太宰さんに抵抗するかのように話す。
私はこのとき、ポートマフィアの本当の恐ろしさを知った。






「たかだか数十人の探偵社ごとき、三日と待たずに事務所ごと灰と消える!
我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!」







ー生き残った者などいないー








頭の中に木霊するその言葉は、私に一つの考えをもたらした。
私たちは相当ヤバイ奴等を敵にしてしまったのかもしれない、と。
不思議の国のアリスも吃驚の世界だ。









「知ってるよ、その位」


「随分とあっさりしていますね、太宰さん」


「そうかい?」







焦りもしない、驚きもしない、ビビりもしない。
この本知ってるよ、みたいなノリで云う太宰さん。









「然り、外の誰より貴方はそれを悉知している」
……元マフィアの太宰さん」









……………え?
太宰さんが…………元マフィア?!
もとまふぃあ?
マフィア、まふぃあ、マフィア?
太宰さんがあの?
え?え?…………元ポートマフィア?
なるほどよく判らない。









「ええぇぇぇええぇええぇぇぇ!!!!」

「お〜!面白い反応するねぇ!」







路地裏に私の驚きの声が響いた。
通りで判らないわけである。

四七話「ポートマフィアとは」→←四十五話「狙われる理由」



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作品ジャンル:アニメ
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - 13ページの異能力が維能力になってますよ! (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい! (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか? (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ x他1人 | 作成日時:2018年4月6日 17時

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