二十五話「前職探し」 ページ26
「そう云えば皆さんは探偵社に入る前は何を？」
お兄ちゃんが話の話題を変える。
すると急にその場がシーンと静かになった。
あれ？お兄ちゃん何かマズイことでも云った？
「何してたと思う？」
「「へ？」」
お兄ちゃんとハモる。
今日で何回目だろう？
「なにね、定番なのだよ。
新入りは先輩の前職を中てるのさ」
「へえ〜」
太宰さんの説明に、なんとも云えない間抜けな返事をする私。
「じゃあ……」
お兄ちゃんが中てようとする。
果たして中たるのだろうか？
「谷崎さんとナオミさんは……学生？」
「おっ、中ッた。凄い」
「真逆本当に中るとは…お兄ちゃん凄い！」
「否、逆に中らないと思ってたの！？」
「……ご想像にお任せします」
「え！？ちょ、A！？せめて何か云ってよ！」
ナオミさんがクスッと笑う。
太宰さんも谷崎さんも、私たちの様子が可笑しかったのか、ふふっと笑う。
「ふふっ……どうしてお分かりに？」
「えっと、ナオミさんは制服から見たまんま。
谷崎さんのほうも、齢が近そうだし勘で」
「やるねぇ。じゃあ国木田くんは？」
「止せ。俺の前職など如何でも」
国木田さんかあ………。
「うーん…その規則正しそうな性格からして教師でしょうか？
多分、体育か数学のでしょうか？」
私は思ったことを手当たり次第云った。
「うっ……」
「おお！凄いねAちゃん正解だよ。
彼は元学校教諭だよ。数学の先生」
「やった！中った！」
その場でガッツポーズをする。
嬉しいものは嬉しいのだ。
……例え行動が子供っぽくても。
「へえぇ！」
「昔の話だ。思い出したくもない」
お兄ちゃんが驚き、国木田さんが眼鏡を中指でくいっと押し上げる。
「でも国木田くん、ド正論云われて抵抗できないでしょ」
「やめろ太宰！」
「じゃ私は？」
「人の話を聞け！」
太宰さんと国木田さんがまた喧嘩を始める。
にしても、太宰さんの前職かあ……
「太宰さんは……」
「何だろう？検討もつかないけど…お兄ちゃんはどう思う？」
「僕も想像がつかない」
お兄ちゃんと相談する。
ニコニコと笑う太宰さんをチラリとみる。
もう一度お兄ちゃんと目が合う。
「「………無職？」」
「そこまで仲良くハモられると流石に悲しくなるんだけども……」
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - １３ページの異能力が維能力になってますよ！ (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか？ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ x他1人 | 作成日時：2018年4月6日 17時
