二十一話「入社試験とその結果」 ページ22
ここまでの推測で、なぜか私達は太宰さんたちに騙されていることがわかった。
でも何故……？
そう疑問に思っていると
「つまりこれは、一種の入社試験だね」
ん？今なんて云った？
にゅうしゃしけん？
……………これが？
「入社……試験？」
お兄ちゃん太宰さんに聞き返す。
さっきまで冷静に考えられた私も、『入社試験』と云う言葉に混乱を隠せなくなっている。
え？え？と同じ言葉を繰り返す程だ。
「その通りだ」
そんな私達を静めるかのように聞こえた、とても低く落ち着いた声。
其処には和装に白い髪と、日本人を代表したかのような人が立っていた。
背丈が大きく強面で、近寄りづらい。そんな印象だった。
「社長」
国木田さんがその人に頭を下げていた。
……え？社長？
「社長……？」
武装探偵社社長 福沢諭吉
能力名『人上人不造』
「そこの太宰めが『有能なる若者がいる』と云うゆえ
……その魂の真贋、試させてもらった」
どうやら社長と云うらしきその人は、
あんぐりと口をあけ呆然とする私達そっちのけで淡々と話を続ける。
「君達を社員に推薦したのだけど、如何せ敦くんは区の災害指定猛獣だ。
保護すべきか社内で揉めてね。
……で、社長の一声でこうなった、と」
保護？推薦？
頭が追いつかない。
此れが十四才の脳みその限界であるとこのとき理解した。
「で社長……結果は？」
国木田さんが社長に問う。
辺りが緊迫した雰囲気になる。
そして社長は……
「太宰に一任する」
そう云って部屋をあとにした。
「「…………」」
お兄ちゃんと視線が合う。
『どう云うこと？』
『私もわからない』
とでも云うかのように視線を交わす。
「合格だってさ」
そんな私達に「おめでとう」と云わんばかりの笑顔で話しかける太宰さん。
ハッとお兄ちゃんが何か判ったかのように口を開く。
「つ、つまり………？僕たちに斡旋仕事っていうのは……此処の……？」
クスッと笑みを浮かべる太宰さん。
「武装探偵社へようこそ」
そう云ってくれた。
どうやら私達は入社試験に合格したらしい。
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - １３ページの異能力が維能力になってますよ！ (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい！ (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか？ (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ x他1人 | 作成日時：2018年4月6日 17時
