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「…え、と。何、やろう」
赤に染まっている頬を掻いて私にそう聞く彼。それに私は言葉を詰まらせた。
あれ、なんで私呼び止めたんだろう。本当に無意識に引っ張ってた。聞くことなんて何も_、
「……あ、名前、」
「…なまえ?」
素っ頓狂に繰り返す彼に、そうだと首を縦に振った。
私はまだ名前をまだ聞いてない。彼ははにかんで、こう言った。
「影片みか。名前は女の子っぽくあんまり好きやないんやけどね」
かげひら、みか。口の中で小さく言う。良い名前だなぁ。無意識に口角をあげた瞬間、ていうか、と彼は首を傾げた。
「聞いてくるって事は、期待してもええんかなぁ…?」
顔を赤くして微笑む彼につられて、私も赤かった頬がもっと赤くなった気がした。
「っ、いいよ、期待しても」
「…え」
地面に手をついて、身を乗り出す私に彼はまたもや素っ頓狂な声を上げた。
「わたしも影片くんのこと、すきかもしれない…から、いいよ」
そう言った刹那、ふわりと良い匂いが鼻を掠める。彼に抱きしめられたんだと気付くまで数秒。
さらさらした彼の髪の毛が耳に当たってこそばゆい。だけど、それすらどうでもよくなるくらい恥ずかしい。
「おれも、すき。めっちゃすき。ずっとすきやった」
「…うん。」
私も好きだよ。って声に出してしまえば、胸の中へすとんと落ちてくる気がした。
あぁ、私、影片くんのこと好きになったんだ。会って少しだけど、好きになっちゃったんだ。
「…なぁ」
「…ん?」
体を離して、影片くんは私と顔を見合わせる。
「…名前、聞いてへんなって」
「…あ、ほんとだ」
好きって言ったのに、彼は私の名前を知らない。それがおかしくて笑ったら訳が分からなさそうに眉を下げる影片くん。ごめんごめん、なんて誠意のこもってない謝罪を口にしてから、名乗った。
「私、Aって名前。これからよろしく、影片くん」
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