恐怖シンドローム３ (ページ15)

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第百十話ミアページ15

一人、ゼロ生物たちに破壊された街を歩く。
本当は職員の皆さんの言う通り、シェルターに避難しておいた方が良いのかもしれない。けれど、私はそうしたくなかった。どこかに怪我人がいるかもしれない。親を奪われた子や、子を亡くした親がいるかもしれない。
奏さんが、一人どこかで戦ってるのかもしれない。
そう思うと、シェルターの中で閉じこもっている自分が些かずるいように思えてきて、居ても立っても居られなくなったのだ。

「誰か、まだ避難していない人はいる？どこかにいるなら返事して！」

声をかけながら歩くも、物言わぬ屍たちしか見当たらない。そんな時、遠くで悲鳴が聞こえてきた。

「あの声は……美佐紀さん！？」

私が慌てて向かうと、そこには見知った人たちが……調さんに美佐紀さん、それに奏さんの姿があった。どこか様子のおかしい奏さんの横で二人は何者かと戦っている。私は迷わず奏さんに駆け寄った。

「奏さん！どうしたんですか！？一体……一体今まで何があったんですか！？」

私が彼女の体を抱きしめようとすると、彼女自身の腕に弾き飛ばされた。それでも私は奏さんを落ち着かせようと、彼女に目を向けた。

「落ち着いて、奏さん……私はミア、あなたの友達よ。だから、だから……怖がらなくてもいいのよ」

私が呼びかけると、奏さんはどの言語ともつかないような声を上げ、奇妙な光を宿した目でこちらを見つめてきた。

「奏さん……？」

「譌ｧ縺榊暑繧医?∫焚謨吶?閨門･ｳ繧」

奏さんはふらつきながらも確実に、私の方へと近づいてくる。

「遘√ｒ谿ｺ縺励※縲ゅ≠縺ｪ縺溘ｒ谿ｺ縺励※縺励∪縺」

「覚えてる？私のこと……あなたには、何度も助けてもらったから……今度は、私があなたを助ける」

私は両腕で奏さんの体を優しく包み込んだ。
奏さんの手が私の背中に回されてーー