回復 ページ12
しばらく、あたし達はメンタルケアを受けていた。それも所詮、あたし達の管理の一環だから、抵抗がなかったわけではないけど、すぐに慣れた。
「カチュア、今日は何食べる？」
「パスタとか、フィッシュアンドチップスとか……何にしよう。華璃ちゃんは？」
「あたしはカレーにしようかな」
「じゃあ、私もそれにする」
食堂……いつぶりだろうか？ずっと前の事のように思える。最近はずっと、部屋にこもりきりだったから。
どうやら先客がいるらしい。食堂の奥のテーブルに、たくさんの料理が。それらを平らげていくのは、スージーだ。スージーの隣にいるのは、人狼さん。
声をかけようとしたけど、多分、今の彼女達はあたし達を知らない。また自己紹介するのも面倒臭い。
席について、カレーを注文。あたしはチキンカレーを、カチュアはグリーンカレーを。
カレーは数分と経たずに供給された。あたたかいそれを食べる。こんなに美味しいものを最後に食べたのは、いつだっただろうか？涙がこぼれでる。それはカチュアも同じみたいで、あたしの隣で静かに泣いていた。
「……どうした」
しばらくそうしていると、誰かが声をかけてくれた。顔をあげると、そこにいたのはJackさん。
この前とはまた異なった、深い青い目をこちらに向けている。
「だ、大丈夫です……カレー、美味しかった、から……」
彼は困惑していたようだったが、少し間をおいて、そうか、とだけ言った。何かあったら言えよ、とも付け加えて。
カレーをお腹に詰め込んだら、会計だ。もう行こうか、と席を立った時、あたしは気付いた。
社員証、持ってきてない。
隣のカチュアも目を真ん丸にしてた。カチュアも、忘れたみたい。まるで、あの日の時みたいに！
互いに目を合わせて、そして笑った。少しだけ、涙が出た。
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