無気力 ページ11
あたし達がどうなったのか、話す必要はある？あたし達にとっては至極どうでも良い事だったんだけど。
あの後、あたし達は襲撃されて殺されて。抵抗はしなかった。しても無意味だったから、というわけではなくて、ただ単純に、そうする気力がなかっただけ。
殺された回数は、数え間違いがなければ二十八回。銃で頭を撃ち抜かれ続けた。
「……あれ？もう終わり？」
でも、二十九回目はなかった。なぜなのかは何となく理解した。あたし達を殺す理由がなくなったから……幻想体の収用が、完了したからなのだろう。
それに気付いたのは、目覚めてから何日も経った後。具体的にどのくらい経ったのかは分からない。あたし達には、日付の情報は提示されていないから。
まあ、それはどうだって良い。だって、終わったのだ。気にする必要はない。違う？
「ねえ、カチュア……何、する？」
「……何もする気になれない」
カチュアは死んだ目をして、ベッドに横たわる。
カチュアはあれ以来、ひどく無気力になってしまっていた。何をする気もないし、何もしたくない、みたいな。
あたしもそれに見習う。あたしも、疲れていたから。
最後に野々華さんと話したのはいつだろうか。ずっと前のような気がする。
気持ちがどんよりと沈んでいく。このままじゃだめなんだって、分かってはいる。いるんだけど、それでも、あたしはベッドから起き上がる事をしようとはしない。
そんな中で、あたしの軽くお腹が鳴った。ああ、こんなにも眠りたいのに、休みたいのに、身体は生きたがっている。
それがひどくおかしくて、あたしは口元をわずかに歪める。それは、あたし自身への嘲笑でもあった。
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