外伝18 ページ32
「んー……」
機嫌が悪いのか、談話室でソファに足を組みながら座るジェベリアは眉間にしわをよせていた。
「どうしたのだ婢よ?」
「どうしたもこうしたもないわよクソ虫女。あんたに私の悩みが分かるわけないじゃないの」
「ぶ、無礼だぞ!」
「何よ、先に言ってきたのはあんたじゃないの」
零が声をかけるが、ジェベリアはそれにますます不機嫌そうになる。談話室の飴玉を口に放り投げ、ばきぼきと噛み砕いた。そのまま市販の煙草を取り出し、ライターで火をつけ吹かす。
零にも座るよう促すと、不承不承といった様子で彼女は対面のソファに座った。背もたれに背を預け、ゆったりとした様子だ。絵になるその気品と美貌に、ジェベリアは更に苛立った。
「あんたは良いわよね〜、旦那と仲良くて。さぞ可愛がってもらってるんでしょうね、ええ?」
「……うまくいっていないのか?」
「ええそうよ悪かったわね!」
ジェベリアは先日、ジョンと喧嘩していた。その原因はちょっとした事であったのだが、その日以来二人は会話をしていない。
それを聞いた零はふむふむと頷き、そして彼女へ一言。
「構ってもらえなくて寂しいのなら素直に謝れば良いだろうに」
「うるさいわね!」
「うるさいのはうぬだ。どうせ喧嘩とやらもうぬにだって原因があるのだろう?ならばとっとと謝れ。ごめんなさいくらい幼児にも言えるではないか、うぬは幼児以下なのか?」
「うぐぐ……」
ジェベリアは何も言い返さない。事実その通りであったからだ。
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜(プロフ) - 素晴らしいお話、ありがとうございます。楽しみに待っています (2021年7月22日 13時) (レス) id: 1f55a4bce5 (このIDを非表示/違反報告)
つーちゃん - ください (2021年7月4日 14時) (レス) id: 84f4461b32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ