人工物、あるいは人ならざる者 (ページ18)

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外伝4 ページ18

ジェベリアは女子更衣室でヘアゴムとヘアピンを片手に鏡とにらめっこをしていた。

　先日ジョンにしてもらった編み込みをジェベリアはいたく気に入ったのである。

　だが、ジェベリアはあまり手先が器用ではなかった。職場で撮ってもらった写真も参考に編み込みの再現を試みる事はや三十分。昼休憩もそろそろ終わりである。

　それならば再びジョンに結わえてもらえば良い、というわけにはいかない。同じ事で二度も手間をかけさせるのは沽券に関わる。ジェベリアはプライドが高かった。それ以外にももう一つ理由はあったが、ともかくジョンに頼るわけにはいかなかった。

「ああもう、どうなってるのよこれ……」

　悪態をついて、編み込みをほどく。自分でやると、どうもうまくいかない。ティターニアの髪の毛はうまく似たような編み込みにできたのに。

　苛立ち、長くため息をつく。自分で綺麗に編み込みをできるようになりたい。綺麗になりたい。編み込みがうまくできるようになったら、こう言うんだ。「ダーリンよりもうまく編めるようになったのよ」と。するときっと彼は褒めてくれるだろう。彼女の美しさはもちろん、その努力をも。

　だからジェベリアは今日も編み込みの練習をする。一人でできるようになったら自慢するために。褒めてもらうために。

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