フォビアコンプレックス2 (ページ3)

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第五十一話　みみこページ3

「ご主人様、まだかなぁ？」

　みりあがぼんやりと呟いたのを聞きつけて、私は編み物をしていた手を止めて、たしなめる。彼女は何にも手が着かないみたいだったし。

　いつもなら食らいつくように眺めているテレビ番組だって、見てない。私は別に、あの紫髪のミュータントを可愛いと思った事はないけど、みりあはそうではないらしくて、ミュータントの歌をよく聞いていたし、抽選とかもよく当てようとしていた。

「みりあ、ご主人様は買い出しよ。今日は休日だし、ご主人様も一人になる時間は必要よ。私達がいつもはっついていたら、ご主人様もストレスがたまるもの」

「分かってるわよみみこ。でも、寂しいのよ！」

　みりあは八つ当たりのように座布団を投げてきた。それは私に命中せず、ぽすん、と、可愛らしい音を立てて、畳に落ちた。

「まったく、八つ当たりなんてする暇があるなら手伝ってよ。ご主人様に渡すマフラー、まだ半分も編みきってないんだから。みりあは腹巻きを編んでもらえない？」

「はいはい。最近どんどん寒くなってきてるよね。ご主人様が風邪引かないようにしなきゃ……腹巻きの色は何にする？」

「暗い色……も良いけど、やっぱりパステルカラーにしない？そっちの方が可愛いし」

　そんな、しょうもない事を話しながら手を動かしていると。

　突如として爆音が響き、次の瞬間、私達は吹き飛んでいた。