燃える太陽を終焉へと向かわせる会の日常【リクエスト】 ページ4
会議室に設置されたソファに寄りかかる。私の身体は低反発のソファに埋もれていって、眠気が誘われてあくびをし、目を閉ざす。
紅茶を啜る音とお菓子の香りが、心地良い。耳を澄ませてみると、小鳥の囀り、木の葉がゆれる音。半開きの窓から差し込むのは、柔らかな日光と爽やかな風。それらは優しく頬を撫でた。
午後のティータイムには最高の条件。
けど、部屋の中の空気は良くなかった。虚無感に苛まれている。これはそれらから目をそらすために生み出された、儚い救い。この心地良さすらも、私達の絶望を加速させていくのだ。賢いゆえに、気付いてしまう。
ああ、私が馬鹿ならば良かったというのに!しかし、そうでないのは仕方ない。自分のありあまる知性を憎むしかないのだ。
そう、これは私の賢さゆえの、罰。
「羽毛パイセン、さっきから何呟いてるんですか」
ふと、声が聞こえた。重たい瞼をこじ開けて見てみると、そこには見事な赤い髪の毛が。ぴょこんと飛び出した獣の耳がゆれる。
私の同志、篝火モナ。
「あら、口に出してしまっていたかしら?」
紅茶を手に取り啜りながら、尋ねてみる。紅茶はかなりぬるくなっていたが、私にはこれくらいが丁度良く思えた。熱いのは苦手なのよね。
「思いっきり口に出してましたよ。最後あたり知性がどうとかって自画自賛してましたよね」
「そうですわね。もうこういう変な事言わないといけない気がしてきたの。私、たまに私自身がよく分からなくなりますわ」
「疲れてるんですね」
「おそらくはね」
憐憫の目線。肩をすくめて、お菓子を食べる。一口サイズのチョコレート。可愛い形や模様をしている。目で見て楽しむために。けれど、それを見る余裕はない。今は甘味が欲しい。
「例の太陽はどうしますか羽毛パイセン。あと羽がめっちゃ抜けてますよ」
「気にしないでくださいな、よくある事ですわ」
「そうでしたね」
彼女は頷きながら、紅茶を啜る。私もケーキを口に含めて、それをゆっくりと味わおうとし
「元気カオマエラ!」
「ひゃああああ?!」
「うわああああっげほっげほごほ!」
絶叫した。吹いた。
ドアがばぁんと開け放たれて、そこにいたのは太陽、もといリンハオシュエン。いるだけで暑苦しい。ああ、身体が溶ける。頭が溶ける。もうだめだ、太陽はどうしようもないのだ。秒で諦めた。
「篝火さん」
「どうしましたか」
「後は任せました」
「えっ」
とりあえず、そっと気絶しておいた。篝火の悲鳴が聞こえたような気がしたけど、問題ないわ。多分。
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ツナマヨガチ勢(プロフ) - ミクミキさん» それぞれのキャラクターに全く違和感を抱くこと無く全力で楽しめました……! すげぇ! ミクミキさんすげぇ! 心の底から尊敬します。とりあえずこれのおかげであと八十年は健やかに生きれます。書いてくださり本当にありがとうございました! (2019年8月23日 6時) (レス) id: ac1f85ca0c (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨガチ勢(プロフ) - ミクミキさん» うわあああ、尊い……! 朝一に見て完全に目が覚めました尊い……! もうキャラが個性を出し合いながら凄く活き活きしてて、感動で悶絶しました……! 私よりもモナちゃんらしくモナちゃんを動かせている……! ダメだ到底二百五十文字だけじゃ言いたいことが纏まらねぇ! (2019年8月23日 6時) (レス) id: ac1f85ca0c (このIDを非表示/違反報告)
まきびしの神(プロフ) - ミクミキさん» ありがとうございます! ワクワクしながら待ってます!(ミクミキさんのペースで頑張ってくださいね!) (2019年8月22日 22時) (レス) id: 60897dc9b3 (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - ツナマヨガチ勢さん» リクエスト承りました!少々お待ちください! (2019年8月22日 21時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨガチ勢(プロフ) - ミクミキさん» では、関係を組ませて頂いたモナとハオシュエンとで「燃える太陽を終焉へと向かわせる会の日常」みたいな話を読んでみたいです! 大丈夫でしょうか? (2019年8月22日 20時) (レス) id: ac1f85ca0c (このIDを非表示/違反報告)
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