フォボス症候群 (ページ11)

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第十話　トツキヨ・コウムページ11

あんな最悪な夢を見た後に会議とは運がねぇ…

少し窶れ気味になりながらも俺は会議に参加した。

「んじゃ、とりあえず会議はこれまで！府色と紅夢と唄はえっと……そうだなぁ……」

会議がやっと終わり、俺は奏の指示を待った。

そういえば、フィリアが具合悪そうにしてたが大丈夫だろうか？

まぁ、アイツの事だ。
しばらくすれば元気になるだろう。

「１８時！会長室に来てね！それじゃ！かいさーん！」

そう言い、奏と数人が会議室から出た。

そういや、ずっと前から気になってたが奏はどうしてＷＰＳを創ったんだ？

あっ、唄なら何か分かるかもしれねぇな…

「なぁ、唄」

「……？何ですか？コウム先輩？」

俺は椅子に座ったまま、唄に話かけた。
そして会議室に残った奴らは俺達の方を向いた。

「カナデはどうしてＷＰＳを創ったんだ？」
「んー……ねーさんは……興味だよ」
「興味……？」

俺は頭に『？』を浮かべた。

興味なんかで、こんなものが創れるんだなぁ…
まぁ、俺はぜってーにやらねぇけどな。

じゃなくて、興味って何に興味を持ったんだ？

「ねーさんが初めてフォボス症候群を見つけたの知ってるでしょ？てか、第一感染者だし……」
「……まぁ、そうだな」
「ねーさんはフォボス症候群の研究のためにここを創ったの。でも気がついたら大きくなっちゃったんだって」

へー、よく大きくできるもんだな。
普通はこんなに大きくできねぇぞ？

まぁ、それほど世界が危険視してるのだろう。

「政府にも頼られるようにもなっちゃったからあんな感じに振る舞ってるの。本人曰く本当は『心底どうでもいい』らしいよ。でも、政府からの支援金を貰うためにやってるんだってーしかも政府から若干脅されてるし……ねーさんも色々カツカツなんだよー」

そう言い終えると唄は席から立ち上がった。

てか、裏でそんなことがあったとは……奏は奏で色々あるんだな。

「この後、やばーい予感がしかしないからちゃっちゃっと準備した方がいいですよ。見えちゃいましたし、今」

俺は少しゾクッとしたが大体は勘づく。
だが、一応「何を……だ」と聞いてみた。

すると唄は苦笑いをして、

「……生体兵器の暴走ですよ。それじゃ、私は行きますねー！」

と言い唄は会議室から出てった。

はぁ……相変わらず何を考えてるか読めねぇ奴だ。

そう思い一つ息をついてから席から立ち上がり会議室を出た。