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西園寺 椿だった頃から、カトレアは物忘れをするということが極端に少なく、それは今世でも受け継いでいた。

つまり、前世で何度も何度も読み返して覚えた呪文やハリーポッターのストーリーなどが、その優秀な頭の中に詰め込まれている。

だが記憶とはどうやっても薄れていくものである。

カトレアとしては呪文の数々もハリーポッターのストーリーも忘れる訳にはいかない。

その解決策として、父に買ってもらった分厚い本のようなノートに日本語で記憶の限り書き込んでいた。

読書家のカトレアの部屋にはあらゆる本が溢れていて、”木を隠すなら森の中”とはまさにこのことである。


閑話休題(それはともかく)

セブルス・スネイプが自分の呪文を作っていたのを覚えているだろうか。

カトレアも彼と同じことをした。

そう、新しい自分だけの魔法を創ったのだ。


【オクリース・ファッロ_目を欺け】
この呪文をかけられた物を見ても、呪文をかけた人が望んだ物にしか見えない。


カトレアは日本語で書いたこの本に呪文をかけ、他人が見てもただの小説にしか見えないようにした。

呪文を作ったと簡単に言ったが、呪文を作るにはそれ相応の魔力と魔法に関する倫理の理解が必要である。

だが、カトレアは前世から魔法について深く考えていた為、魔法に関する論理の理解はもちろん、魔力だってそこらの純血産のお貴族様など軽く凌駕するほどの魔力を持っていた。

体内の魔力を効率よく体外に出して形作る為の媒体である杖がない状態であったために、考え続け試し続け、ようやく無理やり魔力を外に押し出すという力業で齢8歳にしてこの呪文を完成させた。

魔法を新しく作るのは簡単なことではないけれど、大好きなハリーポッターの世界に来ることができ、それも魔法が使える、こんな嬉しいことは他にあるだろうか。

カトレアはホグワーツの入学許可証が届くのを非常に心待ちにしていた。

入学許可証が届く前から杖はないものの、呪文を唱えて魔法の練習をしたり、ホグワーツに行ったらどんなことがしたいのかを小さな少女のように毎日考えていた。

魔法が使える、ましてや作れてしまう自分に許可証が届かないわけが無いという一種の自信であり、最も偉大な魔法使いであるダンブルドアが魔法使いの卵を見逃すわけが無いという信頼でもあった。

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- とても面白いですっ!!物語が丁寧だし読みやすい…更新頑張ってください!! (2月6日 22時) (レス) @page8 id: cc7c78e963 (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - ものすごく面白いです!!更新頑張ってください! (2021年11月29日 19時) (レス) @page45 id: a84d0456a3 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - 蒼月さん» はい!私のイメージだとそうです!! (2021年9月27日 10時) (レス) id: b0c551b146 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 宵桜の館さん» なるほど!! 例えば、夢主の近くにいる不死鳥をフォークスのような紅だとしたら、夢主のアニメーガスはONEPIECEのマルコのような蒼_とかで合ってますか? (2021年9月26日 12時) (レス) id: 1cda098b14 (このIDを非表示/違反報告)
宵桜の館(プロフ) - 初めまして、楽しく読ませてもらっています!不死鳥は、色を変えてみては如何でしょうか?あくまで個人の意見ですし、蒼月さんの考えに添えているか分かりませんが... (2021年9月26日 12時) (レス) @page43 id: b0c551b146 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年5月20日 21時

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