壊れても (ページ40)

今日:8 hit、昨日:11 hit、合計:67,254 hit

37 ページ40

大橋「怖かったよなぁ。。。ごめん。いっつも肝心なときに居らんくて。」

丈くんの泣き声が一層大きくなる。

末澤「まぁ良かったわ。

……でも、仕事で会わへん訳にはいかないやろ？

気をつけや。丈も、大橋も。」

うん、と真剣な顔で頷き、

ありがとうなぁ、と二人で言って、車に乗り込む。

大橋「なぁ、丈くん。

……やっぱあの人のGlare俺のとちゃう？」

丈くんは助手席に乗っているから、運転している俺は表情を窺うことができない。

藤原「……おん。

……息がさ、、できひんぐらいなんよ。

でもそんな威圧感が気持ちよかったんよ。

どうしよう、、大橋、俺、また会ったら。。。

また大橋のこと考えられへんくなるかも、、、」

大橋「ごめんなぁ。俺の力不足で。

丈くんがそう思うんは当然なんよ。ランクが高かったらそりゃ従いたくなる。

丈くんのせいじゃないで。なぁ？」

全部がうまくいかない。

自分の無力さに絶望し、

一つ一つのピースがうまくはまらないもどかしさを感じる。

ジグソーパズルは一つピースが欠ければもう完成することはない。

でも現実は、一つどころではないピースがどんどん手から零れ落ちていく。

ダミーが混ざっているときもある。

そもそも外枠なんてないのかもしれない。

最初からはまるピースなんてないのかもしれない。

俺らは歪なピースを無理やり組み合わせようとしている、

愚かな人間なのかもしれない。

でも、バカでも、アホでも、愚かでも、なんでもいいから、

…愛する人と居たい。

大丈夫や。と言い続けながら家へと車を走らせた。