Sorry,I...(3)

１０５ ページ13

side:You









「好きだよ」









.









恋は切なくて苦しいばかりだって
そう思っていた私に








初めて愛される幸せを教えてくれた人









.









「ずっとこれが言いたかったの」



「こうやってちゃんと目を見て、言葉で伝えたかった」









いつも貰ってばかりでごめんね







痛いくらい真っ直ぐなたくさんの愛情を
私もあなたに返したい






.








愛した分だけ想いは返ってくると
私があなたに伝えたい








.









「私は真司郎のことが、大好きです」









.








あぁ、私初めて知ったよ
好きな人に「好き」って伝えるって






こんなにも熱くなって恥ずかしくて
でも、幸せなんだね







.








真司郎は、やっぱりすごい









当たり前みたいに私に“好き”って言ってくれる
それがどれだけ私を支えているか









.









誰かに好かれるって、こんなにも幸せなんだって
私もあなたにこの喜びを知ってほしい









.









私がもう一度、真司郎の手をぎゅっと握ると









.








真司郎は自分の手をぱっとあげて顔を覆った








.









「ちょっと...」







私の顔も見てくれない真司郎








.








「結構今、すごいこと言ったんだけど(笑)？」









何か言葉を求めて真司郎の様子を伺って









.








「え...？」









真司郎の肩が微かに震えていた









.








「...泣いてるの？」









真司郎の顔を覗き込むと
私から顔を背けて窓の方を見てしまった









.








真「泣いてへん...」









少し掠れた、体に心地のいい声が
今は震えて小さくて








.









真「アホ...Aがそんなこと言うからや...っ...」







.







一瞬、合った真司郎の目は
優しく艶やかに濡れていて








.








真司郎は私の腕を引っ張って体を引き寄せて
強く強く抱きしめた








.

１０６→←１０４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す