Episode128 ページ41
午前中のうちに仕事を終わらせ、明日のパーティーで主催者に渡す手土産を買うと言って、一人外へ出た。
足がつかないように一度デパートへ向かい、トイレからポートマフィアビルまで異能力で移動する。
自分の部屋に出ると、真っ先にアルジャーノンのもとへ向かった。
「ただいま!元気にしてた?」
特に籠などに入れている訳ではないが、いつも彼の方から寄って来てくれるため、探す必要はない。
久しぶりに会ったアルジャーノンの様子に安心し、部屋を出る。
計画の下準備をするため、執務室へ向かった。
明日の作戦については既に森にも根回し済み。
あとは外堀を固めるだけだ。
エレベーターに乗り、歩き慣れた廊下を進む。
自分のパソコンや仕事用具は全て中也の執務室。
ここに来るのも随分久々だ。
「中也さんいるかな?」
室内は物音一つしない。
「失礼します。」
鍵は開いていたため扉を開けると、電気は付いていなかった。
任務で出てるのかな。
まだ出張から帰ってない?
「きゃっ!」
明かりをつけようと前に進むと、何かにつまずいた。
暗かったため足下がよく見えなかったが、こんなところに何か置いてあっただろうか。
何とか進んで電気を点けると、のっそりと立ち上がった中也と目が合った。
「中也さん……?」
寝ぼけた目でじっとAを見つめ、首を傾げている。
「……んだ、夢か?Aー。」
名前を呼びながらもたれ掛かるように抱きついてくる中也。
え?え?
Aは困惑で、されるがまま。
突然のことに二人して床に倒れ込んでしまう。
「帰ってくるの遅ぇんだよ。……忙しいのかと思えば太宰なんかと会ってやがるし。」
非難と言うよりは、嘆き。
逃がさないと言わんばかりに強くまわされた腕。
隙間もないほど密着しているせいで表情は見えないが、恐らく寝ぼけているのだろう。
「俺も悪かったけどよ……連絡もねぇのは寂しいだろ。」
Aだって中也は忙しいのだろうと思って連絡しなかったのだが、それがいけなかったようだ。
「中也さん!」
中也にとって、聞かれたい心中ではないだろう。
耳元で大声を出すと、中也が勢いよく身体を起こす。
「……A?」
驚きすぎて口が半開きの中也。
いかにも二日酔いの顔。
イケメンが台無しだ。
「そうですよ。夢じゃないです。」
言い聞かせるようにAが言うと、中也は何故か自分のではなく、Aの顔を手で覆った。
Aは聞かなかったフリをしようか暫く迷った。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時