Episode118 ページ31
「あ、おはようございます。」
「おう。」
朝部屋を出ると、ちょうど中也に遭遇した。
たった一日会っていないだけなのに、随分と久々に感じる。
思えば、中也と出会ってから顔を合わせない日は一日もなかった。
「お前、酒は程々にしとけって言ってるだろ。」
顔を見るなりそう言われる。
何か迷惑をかけただろうか。
そういえば、昨晩太宰達と酒を飲んでいた途中からの記憶がない。
「私また潰れました?」
「太宰が運んできた。いいか、もう少し警戒心を持ちやがれ。人前で簡単に隙を見せんじゃねぇ!」
その忠告に、Aは素直に頷く。
こんな仕事だから、確かにいつ刺されるかわかんないよね。
中也の本心は伝わっていなかったが。
「じゃあここで。」
「頑張れよ。」
一礼して中也に背を向ける。
行き先が違うため、途中で別れてしまう。
あれ、何か……。
別に中也の部下でなくなったわけではない。
直属なことに変わりはない。
ただ暫く安吾に世話になるだけ。
その暫くとは、一体いつまでなのか。
中也さん出張行っちゃうしな。
「……寂しい。」
「二日目でもうホームシックですか?」
突然話しかけられ、肩が跳ねる。
思わず口をついて出た本心は、いつの間にか背後に立っていた安吾に聞かれてしまったようだ。
「別にそんなんじゃないです。」
理由はないが何となく目を逸らし、ぶっきらぼうに答える。
「まぁどちらでも構いませんが、そろそろ扉開けていただけますか?」
ため息と共に迷惑そうな顔で後ろを指差される。
どうやら入口の前で立ち止まっていたようだ。
慌てて扉を開け、書類だらけの室内に入る。
「それにしても、面倒くさそうですね、貴方がた三人は。まぁ僕には関係のないことですが。」
「三人?誰のことですか?」
Aが聞き返すと、安吾のため息はより深いものになった。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時