悪戯同盟組んでみた 5 ページ25
「……遅い。」
お茶を終えた二人がビルに戻ると、エントランスには見るからに不機嫌な中也が待ち構えていた。
「あれ、この後何かありましたっけ？」
仕事は終わらせてから行ったつもりだ。
報告書も書いている。
「別に、何もねぇけど…。」
Aが尋ねると、ボソボソと小さな声で呟く。
明らかに様子のおかしい中也。
「やきもち焼いてるんでしょ。早く認めれば良いのに。」
「俺はまだ負けてねぇ！」
睨み合う二人の間に挟まれるA。
「Aちゃんは私といた方が楽しいよね？」
中也を挑発するように、Aの肩を抱き寄せる太宰。
「魚臭くなるぞ、こっち来いA！」
それを中也がキッと睨みつけ、Aを呼ぶ。
「ちょっと待ってください！」
何とか二人を留め、距離を置く。
さすがに説明して貰わなければ納得がいかない。
「どういう事ですか？」
「Aちゃんがどっちといる方が楽しいかっていう勝負。」
太宰の返答に思わずため息をつく。
「はぁ…、そんな事だろうとは思いましたけど。」
ここ数日の二人の様子を見れば、何となく予想はついた。
しかし、自分の許可もなく勝負のネタにされて良い気はしない。
「で？私の方が良いでしょ？」
太宰は同盟相手。
中也への嫌がらせなら、ここは太宰を選ぶのが当然の選択だろう。
「どっちも嫌！」
中也は太宰が選ばれなかった事に少なからず安心したようだが、太宰は不服そうな顔をする。
「ちょっとAちゃん、私達仲間でしょ？」
「隠し事は協定違反です。それに太宰さん、私に嘘つきましたよね？」
Aの指摘に、太宰は当惑する。
自分でも心当たりがあるようだ。
一昨日、何気なく中也に女性のタイプの話を振ると、『やんちゃで、ドタバタ騒ぎを起こすような子』ではなく、『気品のある女性』という事だった。
Aに嘘をついた意図はわからないが、同盟相手に嘘は御法度。
「残念ですけど、同盟は一旦破棄させていただきます。」
わざと冷たく言い放つと、謝り出す太宰。
「ごめんって。もう少しだけ遊ぼうよ。」
太宰が下手に出るなど珍しい。
Aはそこまで怒っていなかったが、うろたえる太宰が少し面白かった。
「待て、同盟って何だ？」
「あ、やば。」
そうだ。
この場には中也もいたのだ。
「じゃあ太宰さん、楽しかったです！また今度遊びましょうね。」
にこやかに手を振り、慌ててその場を後にする。
怒った中也との追いかけっこは二時間程続いたのだった。
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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (
レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです；；更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません！！ (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか？ (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです！ 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作成日時：2020年4月8日 17時
