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Episode99 ページ1

「気付いた時には、ブライアンと私は地下室で意識を失い、チャーリーは既に死んでおった。そうして、ジェーンは姿を消したのじゃ。」

それがAの過去の全て。
中也は酷く神妙な顔つきで、俯くリチャードを眺めていた。

Aが記憶を失った原因は、弟の死に対するショックだったのか。

そして、偶然か必然か、記憶を失ったAは船に乗って日本へたどり着いたのだ。

「まさかあの子が記憶を失っていたとは……。ブライアンはどんな手段を使ってでもあの子を連れ戻そうとするじゃろう。」

記憶を取り戻したAはどうなってしまうのか。
最愛の弟という、生きる意味をなくした世界で、それでも彼女は生きることを望むだろうか。

「……あいつは必ず俺が取り返す。」

先ずはAを助ける。
それからの事は後で考えれば良い。
少なくとも、Aはブライアンのもとで生きることを望んではいない。

「ブライアンは狡猾な男じゃ。一筋縄ではいかぬ。」

中也の実力を目の当たりにしてもなお、リチャードは忠告する。

「あいつの兄は心優しく、マフィアなんぞ向かぬ男じゃった。それを、あいつは躊躇なく殺し、数年で組織を何倍にも成長させた。」

今のイエロースネークは時計塔の従騎士にも匹敵するほどの存在。
それをたった一代で作り上げたのがブライアンなのだ。

「権力も、富も、全てを手に入れたあいつが望むのはジェーンだけ。持てるもの全てをかけてでも取り戻すつもりなのじゃ。」

組織を世界に展開させたのもAを探すため。
誘拐の計画性、規模、どれをとってもブライアンのAへの執着の異常さが滲み出ている。

「ご忠告どうも。」

しかしリチャードの言葉を聞いても、中也は眉一つ動かさず、奥の扉に向けて歩き出した。

Aの涙を思い出すと、為すべき事は一つしか浮かばなかった。

Episode100→



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noel(プロフ) - 星猫さん» いえいえ、ありがとうございます (2020年4月14日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - こちらこそすみませんです;;更新頑張って下さいね。 (2020年4月14日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - 星猫さん» お誘いは凄く嬉しいんですが、今年受験生でして…。コロナのせいで今が暇なだけなので、他の方と合作は厳しそうです。誘っていただいてありがとうございます。すみません!! (2020年4月13日 22時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - あの、私と一緒に合作しませんか? (2020年4月13日 19時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ぬい(プロフ) - noelさん» うれしいです! 楽しみにしてます (2020年4月11日 14時) (レス) id: 1f95c5a6f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:noel | 作成日時:2020年4月8日 17時

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