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Episode78 ページ29

「久しぶりだねジェーン、元気だったかい?こんなに大きくなって。」

ブライアンはベッドのジェーンを引き起こし、軽々と持ち上げる。

「元気よ!会いたかったわ叔父様。」

ジェーンの父親の仕事を手伝っていた叔父は、よく父親と一緒にいたが、母親は何故か彼が苦手なようで、ジェーン達がブライアンに会う事は稀だった。

「叔父様が助けてくれたの?」

二人を襲った黒服の姿は見当たらない。

「そうさ。安心して、僕がいるからもう大丈夫だ。」

ブライアンはジェーンを強く抱き締める。

「そうなのね、ありがとう叔父様!」

ジェーンが笑顔でお礼を言うと、ブライアンはどこか熱っぽい瞳でジェーンを見つめる。

「それで、チャーリーは何処にいるの?」

ジェーンの言葉に怪訝そうな顔を見せるブライアン。

「チャーリー?誰だい、それは?」

今度はジェーンが不思議そうな顔をする。

「チャーリーよ!私の弟。叔父様、チャーリーも助けてくれたんでしょう?」

急に不安になり、泣きそうな表情を見せるジェーン。

「あぁ、あのネズミの事かい?大丈夫、逃げないようにちゃんと檻に入れてあるよ。」

ブライアンはジェーンを安心させるように、彼女の頭を撫で、じっと目を見つめる。

「違うわ!私と一緒に男の子がいたでしょう?」

ブライアンがチャーリーの存在を知らない筈がない、彼はチャーリーの叔父なのだから。
ジェーンは何かがおかしいと気付いた。

「男の子?君と一緒にいたのは汚らしいネズミが二匹だけだよ。」

『汚らしいネズミが二匹』

ブライアンは確かにそう言った。

「叔父様……?」

ジェーンの顔が強張る。
しかし、ブライアンは笑顔のままジェーンを連れて部屋を出る。

「夕食の準備はできているよ。ずっと寝ていたから、昼食も食べていないだろう?あぁ、その前に着替えようか。ジェーンのために買ったドレスが沢山あるんだ。」

ブライアンに抱かれているため、ジェーンは自分で動くことができない。
不安に駆られるジェーンを気にもせず、ブライアンは廊下を進んでいく。

「叔父様、待って!じゃあお母様は?お母様は何処にいるの?」

その言葉に急に立ち止まったブライアン。
ジェーンの方を向いた顔は、先程迄の笑顔が影を潜め、瞳は怒りに染まっている。

「君には僕が居れば十分だろう…?」

自分に向けられた蛇のような鋭い目に、ジェーンは底知れぬ恐怖を感じた。

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noel(プロフ) - あやねっちさん» 嬉しいです!!ありがとうございます、これからも頑張ります (2020年4月4日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 1からここまでよみました 最高でした更新楽しみにしていますね (2020年4月4日 16時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:noel | 作成日時:2020年3月30日 9時

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