検索窓
今日:2 hit、昨日:52 hit、合計:43,722 hit

Episode65 ページ16

車が止まり、Aの目隠しが外される。

神島の能力で、周りからは運ばれるAの姿は見えない。
能力はコピーしているものの、自分の姿を消すことができるだけで、神島がかけた能力の効果をAが解くことはできない。

運び込まれたのは、停泊するどの船よりも巨大な豪華客船。

中には東洋人の姿も見られるが、やはり英国組織、飛び交う言語は英語で、殆どがイギリス人だ。

船に乗り込むと、神島は能力を解除する。
その姿を見た下っ端達は、Aを受け取り、神島を部屋まで案内する。

「君の資料は読ませて貰ったよ。異能力をコピーするなんて、何とも特殊で厄介だね。因みに、姿を消して逃げようとしても、同じ異能を持つ僕には見えてるからね。」

Aが渡した資料には使える異能力が全て書いてある。
手の内は全てバレているのだ。

エレベーターで上層階に上がり、通されたのは、真っ黒な家具で統一された、ゴシック調の豪勢な部屋。

趣味が悪い。

至る所に宝石やレースが散りばめられ、目がチカチカする。
おまけに、全てが黒で揃えられているため、薄暗く重苦しい雰囲気だ。

中也の部屋も主に黒で統一されているが、落ち着いた印象なので、Aも気に入っていた。

下っ端はAをソファに下ろし拘束を解くと、部屋を去る。
入れ違いに入ってきたメイド服の女は、部屋同様にヒラヒラとした黒いドレスを運んできた。

「あと二時間程で船が出港する。それまでは僕の監視下に居て貰うよ。この部屋は君のものだ。好きに使ってくれて構わない。じゃあまずは、」

メイドを部屋から退出させ、ニヤニヤとした笑みでソファに近付いてくる神島。

Aの首元のタイに指をかける。

三センチの距離にある顔を睨み上げても、下卑た笑みが深まるばかり。

神島が指を引くと、タイが床に落ちる。
腹に蹴りを入れようとした脚は、素早い動きで捕まり、ゆっくりとブーツを脱がされた。
上着とシャツのボタンが外され、透けるように白い肌が見える。

気持ち悪い。

強い力で身体を抑え付けられ、身動きが取れない。
ブーツを脱いで露わになった太腿を神島の手が撫であげる。

早く来てよ、中也さん…!

指先がスカートの中に滑り込んだ時、破壊音とともに部屋の外が騒がしくなった。

「チッ。……とっととそれに着替えろ。」

舌打ちをした神島はAから離れると、ドレスを投げつけた。

Episode66→←Episode64



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

noel(プロフ) - あやねっちさん» 嬉しいです!!ありがとうございます、これからも頑張ります (2020年4月4日 18時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 1からここまでよみました 最高でした更新楽しみにしていますね (2020年4月4日 16時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:noel | 作成日時:2020年3月30日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。