そ れ で も 歩 く 〜12〜

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・大倉


LIVEが近づいてくるにつれ、皆の士気も高まってきて。


すばるくんの体調も含め、全てにええように作用してくれとった。




ここまで、たくさんのものを乗り越えてきたから。


きっと、神様も認めてくれたんやろう。






無理をすることばかり上手くなってもうとったすばるくんが、力の抜き方や甘え方を覚えて。


それに伴って、俺らも過剰に心配せんで、すばるくんのことを信じて任せることができるようになって。



お互いにかかる負担を、少しずつ減らして上手く消化できるようになっとった。









すばるくんがLIVEのために作ってくれた幾つかの曲。


その中でも、一番気に入っとる曲があって。



すごく、不思議な歌詞なんや。


抽象的言うか、ファンタジックなわけでもないんやけど、ハッキリしたことには触れへんと言うか。



暗号みたいな、歌詞。




でも歌詞を読んだとき、皆が気づいた。





命。




これは、命を歌った歌やって。


生、死、命・・・。


それらしい言葉は、歌詞の中に一切入っていない。



でも、感じる。



この曲の中に、確かな命を感じるんや。






一時は、大切なそれからも目を背け、存在することに憤りを感じとったすばるくんが、

それをそっと愛でるような曲を書いた。



それが、ただただ嬉しくて。





みんなこの曲を歌うときは、どこか切ないような、優しい目をする。


空気を変えるような、スローすぎるわけやないけど穏やかなメロディ。


少しフラットのかかったブルースハープの音が、よく似合う。


切ないその響きも、深い言葉と混ざり合うことで柔らかく響く。




そんなその曲がとても好きやった。

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