幼なじみの彼と彼について (ページ48)

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放課後ページ48

帰る用意をして
グランドへ行くと、アップを終えた実弥が2年生の先輩と話をしていた。

私は邪魔にならないよう、離れた場所から見ていた。

時間が経つにつれて、女の子が増えていく。

話し声が聞こえる
「実弥くん、かっこいいね」

「今度の試合だけ出るんだってー。」

「へぇ？よく知ってるね？仲良いの？」

「えー？そんなんじゃないけどぉ、教えてくれたんだよね」

そう話す女の子を見ると、

あー、実弥のクラスの女の子だ。

「わざわざ彩也香に言うなんて脈あるんじゃない？」
周りの女の子に冷やかされると
「やだぁ、そんなことないって！」
と否定しながらも嬉しそうにしてる。

実弥……やっぱりモテるなぁ

騒いでる女の子を実弥が見ると、その隣にいる私に気がつく。
実弥はわたしに少し笑い手を振ってくると、

「ねね？実弥くん、こっちに手を振ってきたよ？彩也香にじゃないの？」

キャーキャーやってる。

いやいや……それ、私にだよ……
心の中でこっそり呟く

そして、
私が彼女と知ったら殺されるやつね？これ。

気配を消そう。
うん。そうしよう。

と思っていたら……

実弥がこっちに向かって走ってくるじゃないの！

女子グループが騒ぎだす。

「実弥くん、こっちくるよ？彩也香に？」
やだぁ、違うよ？っと嬉しそうにしている
彩也香ちゃん。

その横を通り過ぎ、私の所に来た

あ……私死んだな。

「A！暑くないか？あっちの木陰の方がいいぞ？あ、これ持っといて？」
と、タオルを渡される。
「休憩はお前のとこ行くから」
爽やかに笑い去っていく。

「ねぇ、誰？あの子。」
「あー、さゆりの双子の妹じゃん。」
「幼馴染みの特権ってやつう？ムカつくー」
「ベタベタして。彩也香負けちゃだめだよ？」

こっちをチラチラ見ながら言ってくる。

こわすぎる！！
見に来ない方が良かったのかも……

ねえ、実弥くん、どうしてあなたは
私に試練を与えるのかな？

とりあえず、下を向いて目を合わせないようにして、ここから離れよう……