幼なじみの彼と彼について (ページ43)

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夏祭りページ43

少しずつお祭りのメイン通りから離れていく時に
見覚えのある人と会ってしまう。

ああ、小さな街は、こういうことばかりだ。

視線を上に向けると
目の前には、天元と数人の先輩達がいた。
一瞬動きが止まり……
私と、実弥をじっと見つめていた。
そして、
「俺、こいつらと話あるから先行っててくれ」
と、一緒にいた先輩達と別れた。

「へぇ……お前ら、派手に仲いいな？
付き合ってるんか？」
天元は、実弥と私に言ってきた。

「だったら…なんだよ？お前に関係ねぇだろ？」
ハッキリ言う実弥。

「関係あるな。やっとAに会えたからな、
俺はお前に言いたい事があるんだよ。」

「天元？私は話す事ないよ？」
実弥の腕をぎゅうっとつかむ。

天元から離れようとした時
私に向かって叫んできた。

「Aが好きだ！！」

は？
目の前にいるこの人は、
今更何を言っているのだろう……
「天元……？一体何を言ってるの？」

天元が構わずそのまま言い続ける

「俺は…お前を妹以上に思ってる。
お前が俺から離れて行った時、
やっと気づいたんだよ。
お前が好きだって。
不死川に、取られたくない」

「宇随……お前…何…」
実弥が何か言おうとした時私が止める

「実弥？大丈夫だよ」
にっこり実弥に笑うと天元に言う。

「天元……私、小さい頃から
いつも私を守ってくれた
天元が好きだったよ？

でも……
私が一番辛い時、寄り添って欲しかった時
妹以上には見れないって言ったじゃない？」

「だから…あの時は……」

「あの時は？何？私は！！
あの時救って欲しかった！
今更そんな事言われたって……
遅すぎる。」

そして、絞り出すように言った

「実弥がいい……」

「もう、話す事ないから。
行こう？実弥。」

「ああ」

天元から離れようとすると

「俺は諦めねえからな！」
背を向ける私に向かって言った。

「なんで今更…」
肩が震える。

「大丈夫か？」
心配する実弥に

「大丈夫だよ。実弥…手を……離さないで？」

すると、握っていた手の指を絡ませてくる。

「さ…ねみ？」

「こうすると、離れないだろ？」

絡めた指がジンジンするくらい熱い。

私を見つめる実弥が

すごくかっこよくて……

私は今までの中で一番ドキドキしている

私達は、そのまま花火の見える場所に向かった。