幼なじみの彼と彼について (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:46,387 hit

恋ページ5

6年にもなると、色恋沙汰の話がよく聞こえてくる。

さゆりは、告白されたりしている。
実弥もモテるようで、あの二人はいつも
話の中心にいる。

私には無縁の話。

ある日、同じクラスの女の子から聞かれる。
「ねぇねぇ？花泉さん、さゆりちゃんと実弥くんって付き合ってるの？」

「え……？し…知らないけど……」

「知らないの？噂になってるからさ、どうなのかな？って思って。この間なんて二人でなかよく帰ってたのを誰かが見たってー。」

へぇ。周りもそう見えるんだ。

さゆりはどうやら実弥に好意を持ってる気がする。実弥も、楽しそうにしてるし、
あの二人ならお似合いだ。
もしかしたら、私が知らないだけで
そういう約束をしているのかもしれない。

「まぁ…私には何の関係もないことだ」
独り呟く。

学校帰り、少し遠回りをして
堤防沿いを一人で歩く。
河原に座り、ボーッとする。

どれくらい時間が経ったのか……
そろそろ帰らなきゃと立とうとすると

「あれ？Aじゃねぇ？」

後ろから声がする

振り向くと天元がいた。
最近は塾に行っているらしく、
天元の家にご飯にはいくものの
あまり会えてなかったから嬉しい。

「こんなとこで何してるんだ？」
天元のキレイな顔が私の顔を覗きこんでくる。

近い……

ドキドキ……

顔が真っ赤になるのを隠せただろうか…
あの頃分からなかった気持ち。
このドキドキは……

私は幼なじみの天元に恋してる。

バレてないよね？
密かな想い。

チラッと見て

「塾は？」

「今日は休みだ」

「そっか。」

「天元一緒に帰ろ？」

「しょうがねぇなぁ…可愛い妹だからな？」

妹か……。それでも良かった。

天元と一緒にいられるなら……