幼なじみの彼と彼について (ページ37)

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逢いたいページ37

天元に背を向けて歩きだす

最後まで妹としかみてもらえなかったけど、

私は大好きだった。

天元から離れて行くと

実弥の顔が浮かぶ

さっき別れたばかりなのに
今、すごく逢いたい

気がつけば、家まで走っていた。

「ただいま！ママ、ちょっと行ってくる」
荷物をママに渡すとすぐ玄関に向かう。
「え？何処に行くの？」

さゆりがいたが、気にしない

「実弥のとこ！すぐ帰るから」

さっさと家から実弥の家へ向かう。

インターホンを鳴らすとおばさんが出た

「こんばんは！Aです。実弥いますか？」

「あらAちゃん？実弥なら部屋にいるわよー。上がってって？実弥？Aちゃんが来たわよ？」

おじゃましますと、靴を揃え実弥の部屋へ行く。

実弥の部屋に行くの小学校低学年以来だ。

ドキドキしながらも、ノックする

ーガチャリ

「どうした？」
突然押しかけてきた私に驚く実弥。
「来ちゃった……」
にこりと笑うと実弥は、少し顔を赤くしながら
「入れよ……」
と部屋に入れてくれた。

ベッドのすぐ下に座る
「あのね？さっき天元と会ったの」

実弥の表情が変わった
「へぇ…」

「私の中で決別出来たから。

私は……

実弥がいい。」

実弥は、私をじっと見つめてる
「そうしたらね……？」

勇気を出さなきゃ……

手持ち無沙汰な手を伸ばし、
実弥のTシャツを少し引っ張る。

実弥がピクっと反応する
「A……？」

「そうしたらね？
実弥に凄く逢いたくなっちゃった」
へへ……と笑う。

実弥が固まってる。

あれ…私、変な事言ったかな…？

「ごめん…迷惑だった？
急に押しかけちゃってごめんね？」

実弥は、手で顔を覆い
「いや…違う……」
と呟く。

「違う？」
どういうこと？
実弥を覗きこむと

私から目を剃らし
「かわ…いい」
ボソッと言う実弥。

へ？何？

「なんて言ったの？」

「何回も言わせんなよ。」

横を向いて、
私の頭をポンポンしながら
実弥が言った。

「かーわーいーい」

顔に熱が集まる。
真っ赤な顔になった私をみて
笑う実弥。

「実弥もかっこいいよ？」

ドキンドキン…
お互い見つめあった。

ゆっくりと実弥の手が近づき
私の手に触れそうになった時

「実弥？ご飯よー！Aちゃん食べてく？」
おばさんが下から声をかけてきた。

あわててパッと手が引っ込む。

「あ…ママが用意してるから。また明日ね？」

「お…おぅ。」

また来ますと挨拶して、家に帰った。