暁まで…4 ページ33
***
「…オメェを妹と思った事は、一度もねェ」
「…え?」
私、今どんな顔してる?
恥ずかしいから…そんなに見つめてこないで。
実弥の下でどう反応してよいのか分からない。
「俺をこんな気持ちにさせンのは
A、オメェだけだァ」
正直……
実弥の温もりを感じながら…夢見心地だ。
でも……
「ごめんなさい。私はもう……」
こんな傷だらけの女……。
身体だけではない。
一度は嫁に行った身。
傷物の私が実弥に釣り合うわけがない。
そんな私の気持ちに気づいたのか?
実弥がおでこを小突く。
「アホォ、オメェ…余計な事考えてンだろ?」
「あ、あの……私の体には……傷が…それに……出戻り…だし…」
「だから?」
「だから……あの……」
だんだん声が小さくなる私。
「…言ったろォ?オメェがどんな姿だろうが、過去に何があろうが……構わねェって」
「……聞いてない…です」
私の言葉を聞いて「はぁ……だよなァ」と、ボヤく実弥。
「チッ……ったくよォ……何度も言いたくねェ!もう、2度と言わねェかンなァ!!だからちゃんと聞けェ」
「分かった…」
何度も?
さっき宇髄様が2度目とか仰ってた事…
「A……」
とくん……とくん……と、心臓の鼓動がどんどん速くなっていく。ああ……もう無理!ギュッと目を瞑る。
.
「俺のモンになれェ」
「………ぇ?」
実弥の…ものに?私が?
「オメェは、本当に危なっかしいかンなァ……これからは、ずっと俺の傍にいろォ」
「あの!不死川s…「おィ!いい加減……」」
そう言いながら、切ない顔をする実弥。
「昔みたいに名前で呼べよ」
早く言え?と言わんばかりに
私をじぃ……っと、見つめる実弥。
「言うまで離さねェ」
そんな……急に求められても……
観念して小さく口を動かしてみる。
「……み。」
「は?聞こえねェ」
待って。いざ……名前を言おうとすると、恥ずかしくて声が……
「さ…ねみ?」
やっとの思いで実弥を呼んでみると
黙り込み、私の上で表情ひとつ変えず、じぃっと見つめ動かない。
「……どうしたの?」
「もう一度だァ」
そう言いながら、するりと私の唇を指で撫でる実弥。は…はずかしい!!何処で覚えてきたのよ。お願い…そんな目で見つめないで……
もう一度声を絞り出す。
「実弥……」
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芳美(プロフ) - 前にメッセージありがとうございました♡読み始めたばかりで返事の仕方も分からず…(>_<)実弥のラスカルの画像も何故か消えてしまいました^^;これからも楽しみにしてますね♪ (2022年11月23日 18時) (レス) @page38 id: 7b568aa020 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 実弥LOVEさん» この作品を面白いと仰ってくださり本当にありがとうございます。とても嬉しいです。パスワードですが、すみません、誰でも閲覧できるこちらではお教え出来ないので、メッセージに問い合わせいただけたらと思います(^-^) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
実弥LOVE - 暁に風想ふ。凄く面白いです。この続編のパスワード教えて下さい。 (2022年5月18日 16時) (レス) @page50 id: 46d98ab23b (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - あのぅ....えのき様!私も占ツク作家デビューしたんですよ!鬼滅の内容で、「師範はご都合血鬼術と格闘中」っていうんですけどぉ....←さらっと宣伝すみません......ぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです! (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
しおちゃん - ひゃぁ....やっぱりえのき様の作品はどれも目から水の呼吸が止まりません....。過去作をもう一度読んでいるんですが、やはり同じところで...あぁ.....新しい発見や伏線回収でさらにキますね....。ありがとうございますぅ.....あぁ (2022年3月29日 22時) (レス) @page45 id: 00486be8b9 (このIDを非表示/違反報告)
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