こっちこィ ページ15
***
「こっちこィ」
……へ?
何を言ってるの?
いや、今シリアスな話をしてるんです。
実弥の膝に座るなど……出来るわけないでしょ?
「きゃ!!」
なかなか行こうとしない私の腕を引っ張り
ストン……っと実弥の足の間に座らせられ
後ろから優しく包みこまれた。
「……え?実弥?今大切な話を……」
「だからだろォ?お前は、今俺に嘘ついてるからなァ?こうして聞けば、本心が分かるンだかんなァ?」
嘘って……
「お前……左眉上がってンぞ?見逃すと思ったかァ?
……それに、こうしてれば、お前の心臓の鼓動も分かるからなァ?」
お前の事は、大昔から知ってンからなァ?
と小さな声で呟く実弥。
それからは、何も言わず。
ただただ……優しく抱きしめられ、
大好きな大きな手で頭を撫でられる。
・
「……俺に、負担がかかると思ったンだろ?」
頭を撫でながら聞いてきた。
「……だって…。実弥、朝早くから遅くまで仕事してるじゃない?私、奥さんとして、実弥を支えたい。でも、子育てがまたゼロからになったら……迷惑かけちゃう……。ただでさえ、気遣いできないのに。緊張する仕事から帰ったら、家で安らいでほしいの。……だから……」
目の前に交差している腕に腕を絡めた。
「……たくよォ、何年俺と一緒にいンだァ?」
「……生まれた時から?」
「あほォ、もっと前だわ。」
……もっと前?どういうこと?
きょとん……とする私の顔を見ると
クックッと笑う実弥。
「……俺は、お前が笑ってるだけで安らぐ。
お前が待ってるこの家に帰るだけで、疲れなんざァ
吹っ飛ぶ」
「お前の作ったメシ、うめぇからなァ?」
「……でも…もう一人増えたら……実弥のお世話が……」
まともに出来なくなっちゃうよ?
・
実弥は、私を優しく優しく抱きしめなおすと……
「……産めよ…………いや、産んでくれ」
「でも……」
「俺を信じろォ。それに、約束を果たしたい」
「……約束?」
最近……実弥はたまに分からない事を言う。
なんの……約束だろう?
「昔お前と約束したからな?」
…………んんん?そんな約束したっけ?
考えていると実弥が笑いながら言った。
「クックッ……その内思い出すさ」
「よくわかんない。」
「次は……どっちだろうな?……心配すンなァ、
安心して、産めよ?」
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柚葉(プロフ) - ドキドキ💦😵 (2023年1月7日 5時) (レス) @page49 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - ヒロインちゃんと子供が無事でありますように。母子共に無事でいて欲しいです。 (2023年1月3日 17時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - すみません。ありがとうございます。 (2023年1月3日 12時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - kanayamamoto112さん» わわ!楽しみと仰っていただきありがとうございます。益々更新頑張れます!心配になっちゃいますよね?波乱たっぷりで申し訳ないです(;゚∇゚)後程アップしますので少々お待ちを。また、ここで説明しきれないので、こみゅにメッセージしました。ご確認くださいませ。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 良かったです。ヒロインちゃんと不死川さんと子供達の親子で一緒にいるシーンが好きです。ヒロインちゃんと不死川さんの息子の拓弥君と煉獄さんと詩乃さんの娘ももかちゃんの子供達の恋の行方も楽しみです。炭治郎や禰豆子やカナヲ達の登場も気になります。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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