遠い昔の記憶 ーカナエside ページ2
***
小林……彼女には、前世の記憶がある。
そして……この私も。
彼女と初めて会ったのは、うちの署に配属された時。
私は彼女を知らなかったのだけど、彼女は私の前世を知っていたの。100年前の……あの時代の私を。
不死川君を警察学校で見かけた時は、本当に驚いたわ。あの頃共に戦っていた懐かしさと共に……今の彼に惹かれて行ったの。でも……彼には前世の記憶は無く、その後彼女と結婚した。
私の淡い想いは……そこで終わったわ。
元々、彼には男性としての気持ちというより
同志としての気持ちの方が強かったから
気持ちの切り替えも早かったんだと思うの。
でも、小林は違ったのよね。
私には決して言わないが……前世で恐らく不死川君と深く関わったこと……彼に執着しているように見え、それがとても心配だったの。
彼が研修でうちの署に配属され、共に過ごす時間が増えると、案の定、あっという間に彼にのめり込んでいったわ。
何度も忠告したが、彼女の暴走は止まらず……
結果がこれ。
さて、慰めますか……。
廊下に座り込み、泣きじゃくる彼女の背中を擦る。
「小林?あんな事をしても、不死川君は、余計にあなたの事を受け入れないわ?苦しんでいるあなたに厳しい事を言ってしまってごめんなさいね?でも、現実を受け止めなきゃね?」
「先輩だったら私は祝福していたのに。あの女だけは……どうしても許せないんです……」
困った子ね……
泣きながらまたそんな事言って……
不死川君が聞いたら今度こそ刻まれるわよ?
「はいはい。分かったわ……。ね?今日はとことん付き合うから。元気出しなさい?」
「私ぃ……不死川さんにフラれちゃったんですよね?」
泣きながら私に抱きつく小林。
まったく……手のかかる子だこと。
結婚してるんだもの、当たり前でしょ?
それに、あなた警官、仮に不倫なんてしたら……
あまり言うと余計に泣くわね……
「あのね?結婚してるから。仕方ないわよ?だって……彼はAさんしか見てないもの。諦めるしかないわよ?」
「うわぁぁぁ……。悔しい!!!私が先に出逢ってたら、あんな女に取られなかったのにぃ……グス……
先輩……朝まで付き合ってくださいいい……」
え?…そ……それはやめてちょうだい?
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柚葉(プロフ) - ドキドキ💦😵 (2023年1月7日 5時) (レス) @page49 id: d20b43a216 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - ヒロインちゃんと子供が無事でありますように。母子共に無事でいて欲しいです。 (2023年1月3日 17時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - すみません。ありがとうございます。 (2023年1月3日 12時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - kanayamamoto112さん» わわ!楽しみと仰っていただきありがとうございます。益々更新頑張れます!心配になっちゃいますよね?波乱たっぷりで申し訳ないです(;゚∇゚)後程アップしますので少々お待ちを。また、ここで説明しきれないので、こみゅにメッセージしました。ご確認くださいませ。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 良かったです。ヒロインちゃんと不死川さんと子供達の親子で一緒にいるシーンが好きです。ヒロインちゃんと不死川さんの息子の拓弥君と煉獄さんと詩乃さんの娘ももかちゃんの子供達の恋の行方も楽しみです。炭治郎や禰豆子やカナヲ達の登場も気になります。 (2023年1月3日 11時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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