覚えてないんですか? ページ45
***
「は?満足なわけねェだろうがァ!」
「お前はいつもだァ。どうして直ぐ言わねェんだよ!」
は?何言ってんの?言えるわけないじゃん……
たしかに、私だって小林さんの言った事を鵜呑みにする気はない。でも、もしかしたら……
実弥の心の奥深いところで、迷惑とか、思ってるかもしれないでしょ?だから悩んでるのに。
心ん中じゃ、色々思っていても
言葉には出せない私。
「……言えないよ」
だって……実弥に嫌われたくないんだよ。
そのまま下を向く。
「わりィ、言い過ぎたァ……」
そっと私を抱き寄せる実弥。
「うん……言い過ぎぃ……ばか……」
暫く抱き合っていると実弥は、私の上で
ポツリ言った。
「小林とのことだが……あいつ……胡蝶がすげェ好きなんだわ」
「……それは分かるけどさ。」
うん、分かるよ。カナエさんなら許せるって言ってたし。でもさ、あんな言いかたは……
「俺からもちゃんと言うからもう気にすんなァ」
「うん……」
「……帰るかァ……」
そう言いながら……頭にぽん……と大きな手を置くと、そのままするりと頭から頬を撫で、前髪にキスを落とす実弥。
────
ー小林side
本署の窓からあの二人が抱き合ってるのが見えた。それを見てカナエ先輩は……
「あらあら、不死川君は奥さんの事が本当に大好きなのね?」
笑顔で二人を見守る先輩。
「……あの奥さんの迷惑な行動がなければ、不死川さんだって、あんな大変な思いしないですよ!今回なんて、彼女が勝手に出ていったからですよね?」
「まぁまぁそう怒ずにね?……でも、私達も反省しないといけないわ?……分かってるわね?小林?」
「は…はい」
痛いところを…。
でも、先輩は……不死川さんの事……本当に
諦めたの?あんなに慕っていたのに。
私だって……今まで……。
私には……不死川さんに拘るある理由があることを
誰も知らない。
カナエ先輩にも話した事がない。
不死川さん、どうして覚えてないんですか?
私はこんなにも………
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えのき(プロフ) - れもんさん» コメントありがとうございます!褒めてくださりありがとうございます!お気に入り登録もありがとうございます!楽しんでもらえたようで良かったです(*^^*) (2021年9月26日 7時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - こんばんは!読みだしたら止まらなくなって、すいすいと全部読めました!とっても面白いです!続編も楽しみにしてます!お気に入りを666から667にしてしまった罪悪感…。…でも、お気に入りにしない選択肢はなかった!ウンウン(/・ω・)/ (2021年9月25日 20時) (レス) id: 5102ae8dc8 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - ユイぱさん» 続編へ移行します。準備が整いましたら公開しますね! (2021年9月23日 17時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
えのき(プロフ) - 柚葉さん» 小林さん……こわいよね? (2021年9月23日 16時) (レス) id: 9c3da7f4d0 (このIDを非表示/違反報告)
ユイぱ - 続編できるんですか?楽しみです! (2021年9月23日 16時) (レス) id: 21c5274ef7 (このIDを非表示/違反報告)
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