出来ちゃった！？ 4 【不死川実弥】

この佳き日に…… ページ30

＊



家に帰り、お互い正装する。


「A……そろそろ行くかァ」


私の前に現れた実弥。
礼服を着こなしてしまうところは
さすが……。

髪もワックスでまとめ、
その端正な顔立ちがいつにも増して
目立つでしょ……

スーツの上からでも分かる逆三角形の鍛え上げられた身体は、どこから見てもパーフェクト……

ため息が出ちゃう…
ついつい食い入るように見つめていると


「おィ……見すぎだァ…。俺の顔に何か付いてるかァ？」


実弥が笑いながら聞いてくる。
あ……そういえば、こんなに見つめるの
久しぶりかも……
でも、かっこいいんだもん。
しょうがないでしょ？


心臓の鼓動が速くなるのを感じながら…
実弥を見つめる。

「実弥……かっこよすぎぃ……」

つい、本音を漏らす。



それを聞いた実弥は、一瞬ピクっとする。
……私がこんなこと言うの、重かった？


「Aも…なんだァ……その……似合ってるぜェ」


耳まで真っ赤にしながらそう言うと、私からスッと目を逸らす。



……その言葉が欲しかったの。
すごく嬉しい……

照れてるの？
目を合わせてくれないけど
すごくすごく…幸せ。


「……実弥ぃ…ありがと。嬉しい」





今日のこの佳き日……

束の間かもしれないけど……
仲の良い夫婦でいられますように。


実弥が何か話そうとしてるのに
逃げ回ってごめん。

結婚式が終わったら
実弥の気持ち、受け入れるから。



だから……今日だけ。

お願い。






会場へ行くと……
ウェルカムボードには、
二人の幸せそうな似顔絵。

私が宇髄先生にお願いして描いてもらったんだ。
訪れた人から好評だ。

伊黒さんのお友達は、実弥の高校の同級生も何人かいて、実弥もそっちの輪に入り久しぶりに会う旧友と、昔話に花を咲かせる。




「Aちゃん？あれから……大丈夫だったかな？今日は、とっても仲が良さそうで安心したわ？」



「詩乃ちゃん、ありがとう。うん、大丈夫だよ」



良かったぁ……と話していると
式が始まるとアナウンスが。


席に着きしばらくすると、新郎、伊黒さんが入場する。

入口で挨拶をすると、真っ赤なカーペットの上をゆっくり歩く伊黒さんに注目する。

『素敵ぃ……』

参列者が小さなため息を漏らす。


そして……次はいよいよ……蜜璃ちゃん。

ドアが開かれ、お父さんのエスコートで入場する蜜璃ちゃん。

会場が一瞬ざわつく。



『うわぁ……綺麗……』



純白のドレスの彼女は

とても……美しかった。

感涙→←お前不足だろ ー実弥side

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