そらるの弟は睡眠と食事をよく忘れる。【歌い手/男主】

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Aside


A『おぉ！ただいま！若丸(ﾜｶﾏﾙ)〜！』


入院して約2週間で退院が出来た。

病室の荷物を素早く大きな鞄に入れ､退院の手続きをしてタクシーを捕まえて家まで帰って来た。

兄はワンマンライブらしいから､自分で退院すると伝えてある。


家に帰って来て､すぐに僕は自分の部屋に入ってパソコンを頬擦りした。そして冒頭に戻る。

因みに“若丸”とはパソコン一式のあだ名だ。
入院中ずーっと考えてしっくりと来た名を付けた。


取り敢えず部屋を出て､手を洗い､トイレに行って､お風呂に入り＿＿＿＿＿冷蔵庫から酔鯨を出した。

コップと一緒に部屋まで持って来ると＿＿＿＿若丸の前に座った。


メールBOXに1通が届いていた。
内容は“Dead daysが予定通りの日付で発売が決定しました。”と言う報告のメールだった。

だがこのメールは3週間前の物なので､既に発売されているのだろう。


僕はメールBOXを消して＿＿＿＿企画を書く専用の無地のページを開けた。


カチャカチャ＿＿＿＿＿


静かになった部屋の中で､両手でキーボードを早打ち音だけが微かに響く。

コップに酔鯨を注いで､1口飲みながら同じテンポでキーボードを早打ちして画面に文字が出来上がる。


僕は入院中に次回作を考えていた。
前からお願いされていた僕の処女作つまり最初に作った作品:“Happy winter”の第2弾をする事にした。



“Happy winter”は＿＿＿＿簡単に言うとサバイバルホラーゲーム。
題材は椅子取りゲーム。
本来は同じ教室でするゲームだ。


参加するプレイヤーは2年C組全員。
この中に黒い格好をした死神:Happy winterが紛れて参加している。


誰がHappy winterなのか見つける事。
またはこのゲームの舞台となった高校の各教室に置かれた椅子に座り続ける事がクリア条件。


元々は赤いサンタでキラキラした話を作ろうとしていたのだが＿＿＿＿色々とキャラの試行錯誤して死神になった。


“Happy winter”をプレイした時の兄は＿＿＿＿最初は簡単そうにしていたのだが､途中から｢くそ！｣ ｢ふざけんな！｣など暴言を吐きながらずっとやっていたのを思い出す。


話が脱線していたが＿＿＿＿Happy winterの第2弾は全キャラの変更とHappy winterを死神から悪魔に設定変更しょう。

設定を考えながらゲームを作る事が､楽しくなりキーボードを打ち始めた。

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