第32話 畑が見たい ページ2
「Aちゃん、ごめんね。こいつら良い奴なんだけど、所々暴れるところがあって...」
『いえいえ、大丈夫ですよ』
...
しばらくしてさっきほどの声量ではないが、再び言い争いが始まる。
「お前のせいでこうなったんやぞ」
「シッマもノリノリやったろ」
「ちがわい。それはお前が壁の欠片を...」
お二人でいがみ合っているなら、この隙に...
『ひとらんらん様』
「どしたの？」
『あのー、先ほどの話にも出ていましたが、この城にはひとらんらん様専用の畑があるのですかね？』
「専用って訳じゃないけど...まあ、この軍だと畑をしている人は少ないから、そんなとこだね。あと長いから[ひとらん]でいいよ」
軍人は戦う事が仕事ですもんね。
その中でも植物を育てるひとらんら...ひとらん様は心優しいお方なのだろう。
...
いや、この軍の方は勿論全員優しいよ？ただ村(町)の農家さんが優しい事で有名だったから...ね？
というか私は一体誰に弁明しているのだろうか。
『お気遣いありがとうございますひとらん様。あとそこで一つお願いなのですが、畑を見せていただくという事は可能ですかね？エーミール様から教えていただいた[温室]というものに興味がありまして...』
「勿論、いいよ！」
『ありがとうございます!!』
「なんなら明日の午前中にでもおいでよ、話し相手がいる方が俺も嬉しいし」
『いいんですか!?本当にありがとうございます!!』
出来れば明日聞こうと思っていた事が今聞け、追加で明日の朝に伺え[温室]という物が見られるとはどんなサプライズだろうか。
そんな幸せに浸っていた頃。いがみ合いが落ち着きしんぺい神さんの声がする。
「はい、これでコネシマの切り傷も直ったしもう大丈夫。ほら戻って城の修復をしてきなよ」
「え〜しんぺい神さん、ちょっとここで休んでからじゃ「掘るよ、いいの？」よしシャオロン、帰るか！」
「そうやな！」
掘る...って？
『ひとらんさん、ほ「世の中には知らない方がいいこともあるよ」あ、はい』
医務室からコネシマさんの姿がなくなる。それに続いてシャオロン様が...
「あ、A」
不意討ち!!
『は、はい、何かありましたかね？』
「何かありましたかね？ちゃうねん。俺はお前が幹部になるのは反対や!!」
そういえば半分その事を忘れていたような気もする。
『はい』
「やから明日の午後俺と勝負せぇや!!」
『え？』
「俺と勝負せぇといっとるんや！」
『...なんでしょうか？』
「決まっとるやろ」
「実技、戦闘や!」
第33話 小さな宣戦布告→←第二章 好奇心旺盛な総統閣下 第31話 説教タイム
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作者名：ソラ | 作成日時：2022年12月4日 11時
