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#17 ページ19

名古屋公演の翌日。今日から私とセンラ(船山)さんが務める会社は三が日まで休みになる。

AtRのカウントダウンパーティの当日までは東京の実家で過ごすつもりで、新幹線の切符をとっておいた。



『よし!』



新幹線に飛び乗り、窓の外を眺める。

東京に向かうのはそらる(彼方)と会ったあの日以来だ。
2人のライブに行くんだから、また会うことになる。

楽屋が同じなのは確実。どうすればいいのか、私には分からない。





数時間、新幹線に乗ればいつの間にか東京駅に着いていた

見慣れた駅構内を歩いて外に出る。
びゅう と氷のように冷たい風が肌に突き刺さるように当たる。

口を隠すようにマフラーを上にあげて、また歩き出した。




実家に戻るのは久しぶりで、実家に戻るまでの道や風景は変わっていた。
新しい建物や、前まであった家屋が潰れて公園ができていたりしてきた。

ひと月ほど前にリフォームをしたという実家は周りの家と同じくらい新しくなっていた。



『ただいま〜』



ガチャ とドアを開ければ、奥からスリッパの音を立てながら母親が出てくる



「お帰りなさい、梓。寒かったでしょう?早く入って温まりなさい」

『うん、ありがとう。母さん』



キャリーバッグを持ち上げて、リビングに向かえば父親が炬燵で新聞を読んでいた。



『父さん、ただいま』

「あぁ、おかえり梓。」



前にあった時よりもシワが増えて、おじいさんみたいになってきた父親はニコニコと相変わらず優しいままだ。

すると廊下にある階段がドタドタと鳴り、




「お(ねえ)!おかえりなさーい!」

『っわ!ちょ、(かえで)!』

「久しぶりのお姉だー!」



未だ現役大学生の妹・立花 楓が飛びついてくる。



「こら、楓。梓は疲れてるんだからそこまでにしなさいよ」

「はぁい。あ、おかーさん、今日のご飯何ー?」

「そうねぇ…ハンバーグでもしましょうか。」

「やったー!」



マフラーとコートを畳みながらその光景をじっと見つめる。
私が家を出て名古屋に行った時と何も変わっていない家。

なんだか少し嬉しくて、何故かほっとした。





.

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雷亜 - 私って涙もろいんですよ(笑)一ページ 一ページ泣いて泣いて泣いて(笑) もうすごいですよ涙の量が((殴 (2018年4月7日 9時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 読みやすいしキャラが掴めていてとても楽しく拝見させていただいています。好きです。 (2017年12月10日 10時) (レス) id: 9ac8f0bb45 (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 星華(´∀`*)さん» ありがとうございます!無事第1章が完結してこちらも嬉しい限りです…!そう言っていただけて私も頑張って書き続けた甲斐がありました!続編含めて頑張るのでよろしくお願いします! (2017年11月14日 7時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)
星華(´∀`*)(プロフ) - 1章完結おめでとうございます!もう…一気に読んだんですが…涙が…。すごく好きになりました!!続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年11月13日 16時) (レス) id: 110a37d70c (このIDを非表示/違反報告)
MiKU(プロフ) - 唄葉さん» 唄葉さんありがとうございます!大好き、なんて言葉わたしにはもったいないです……!第2章でも頑張らさせていただくので、よろしくお願いします!ありがとうございました!! (2017年11月4日 16時) (レス) id: fb7ad52b3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:MiKU | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年3月21日 13時

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