誰 か さ ん 。 【黄】

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＿＿＿＿＿＿危ないですので、黄色い線から離れて下さい





東京。


忙しなく過ぎていく時間。
ここだけまるで、時が早いようだった。


私は自分に合わないヒールを履きながら、今日も必死に
地べたに這いつくばっている。



そうでなきゃ、きっと崩れてしまう。




『じゃあね、仕事終わったら連絡入れる』

「了解！頑張れよ」



頭を優しくポンっと撫でられる瞬間に
私の今までの暗い気持ちは吹き飛んでいく。






『好きだよ』






街には、私の日常にはいつだって "誰かさん" がいる





きっと、涼しい顔して歩いてるあの女性にも
多分、音楽を聴いているあの男の子にも
ゆっくりと噛み締めるように歩いているあのおばあちゃんにだって
本を読みながらベンチに腰かけているおじいちゃんにだって


そして


今日も何の変哲もない日常のワンページを生きる、私にも




きっと、そうなんだ。
生きてるからには、仕方ないんだ。




＿＿＿＿＿＿＿1番線に、電車が参ります。




あぁ、この発車メロディ



『誰かさんの、家に向かう時聞いてた、なぁ.....』





誰かさん は たまに現れて、 残酷に私の心を、
心地よく痛めつけるんだ。

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