あなただから。【青】

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何度か季節が巡った。


教員採用試験を受けた。



教師になるというのはやはり険しい道のりで、
この試験会場にお世話になるのは数回目だった。




ちょうど君が僕の前から去ってから7年たった日。






僕は晴れて教員免許を勝ち取った。







古びたスマホをポケットから雑に取りだし、某メッセージアプリを下へ下へと遡ってAの名前を見つけた。






久しく君とはやり取りをしていなかったという事実に今更気付かされる。






頑張って、なんてメッセージは来なければ
受かった、なんてメッセージを送りもしない。






アイコンは相も変わらず学生時代の写真のまんまで、そこだけ時間が止まったままだった。






────────久々に、電話でもしてみようか。








すると、ぴこん、と一件の通知が届く。






母親だ。






｢…は？｣








そこには、試験の結果を煽るようなメッセージと共に、来週Aがこの街に再び帰ってくることが簡単に述べられていた。






…うぉ、まじかよ！！







あくまでも冷静に受かったことだけを簡潔に伝えて電源を落とす。









こんなに舞い上がる成人男性は気持ち悪いかな。





急につまらない日常が明るく見えるようになったのは


僕の心を高ぶらせてしまうのは全部全部、




"あなただから"

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