【呪術廻戦】呪って、祓って (ページ6)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:10,285 hit

奢りページ6

.

『今日は体術か』

「初任務までに体力とかつけないとね！」

「術式的にも体術は会得しておいて損はないでしょう」

それぞれジャージに着替え、グラウンドに向かいながらそんな話をする。

私達は術式的に近接戦が多くなるため、体術や体力育成を多めにこなしている。

準備体操をして、まずはグラウンドを三周。少し休憩を入れてから全力で五周。

競争をしてビリだった人は何か奢る、といったゲーム要素を加えつつ(灰原考案)筋トレを行い、少しずつ実戦形式に移っていく。

『⋯⋯負けた、』

「途中抜かされるかと思って焦ったぁ⋯」

「灰原、速すぎる⋯」

今日は私がビリでゴール。

私達の身体能力はほとんど差が少なく、あるとしたら男女での筋肉量の違いだったり、体格差だったり。

ただ、灰原がかなり俊足なので最初の2周で灰原に追いつけないとだいぶキツイ。

だがまぁ、この競走を続けるうちに自分のスピードも上がっている気がしないこともないので、ちゃんと役立っている。と思いたい。

「雅はさぁ、呪具使うんだよね？刀だっけ。七海はいつも肩に提げてるやつ！」

「まぁ、そうですね」

休憩時間、芝生の上に寝転がった灰原がそう聞いてきた。

『使うよ』と答えれば、「いつもどうやって持ち歩いてるの？」と不思議そうな顔で聞いてきた。

『呪力込めて、短くしてる。で、ポケットの中入れて、使う時に大きさ戻してる』

「へぇ〜。雅の術式って便利だね！」

「でもそれだと予備動作が多くて面倒では」

『⋯うん、そう』

呪力操術は、自分だけでなく相手の呪力を操る他に、道具等に呪力を込め、それを操ることも出来る。

呪具──というより武具である刀は後者の効果を働かせているわけだが、如何せん予備動作が多い。

刀を縮ませるというのは大して面倒ではないのだが、わざわざポケットから出すというのが手間になっている。

そこさえ省くことが出来れば、もう少し早く戦闘態勢を作ることが出来るんだけど⋯と、小さく声が漏れた。

.