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「そこで偉そうに座っているのは五条悟。私は夏油傑。⋯で、そこで煙草を吸ってるのが──」
「家入硝子。よろしく」
「新入生の七海健人です」
「灰原雄です!」
『⋯雅Aです』
「私達は二年生でね、最近まで任務であまり学校に顔を出せていなかったんだ」
すまないね、といって目を細めて笑った夏油先輩。なんか、胡散臭い。
「ンッフ、傑お前胡散くせぇって、アッハハ!!!」
「おい雅、先輩に向かって⋯」
『ぁ⋯すみません、』
横から七海にこずかれた。いいよ、と許してくれた夏油先輩の寛容さに感謝しよう。
それからしばらく、先輩達と色々お話をした。
五条先輩は無下限呪術っていう術式を持っていて、夏油先輩は呪霊操術。二人とも特級術士で最強と呼ばれていること。
家入先輩基、硝子先輩──硝子と呼んでいいと言われた──は反転術式の使い手で、術師にとって貴重な存在だということ。
私達一年の術式の話もした。が、何も言ってないのに五条先輩に術式を言い当てられて驚いた。
「“六眼”でなんでもわかるんだよ」
「へぇ⋯!!すごいです!」
「だろ」
灰原が純粋な目で先輩を褒めるものだから、すっかり先輩も良い気になっている。
“呪眼”のこともあってフードをしている、と言えば、「俺には効かねぇし知らねぇ」と言ってフードを剥ぎ取ろうとしてきたのでめちゃくちゃ抵抗した。
──
先輩達が教室から出ていき、再度静まった教室。七海はこの数分で疲れきった顔をしている。
「面白い先輩達だね!」
「疲れる⋯」
『でも強いよ』
私の一言に疑問を持った二人がじっと見つめてくる。
『⋯五条先輩、明らかに私達と呪力の強さが違った。夏油先輩もそう、⋯あんなに強いの、初めて視た』
確かに絡まれたら面倒そうだけど、頼りにはなりそう。と言えば、「雅がそう言うならそうだね!」なんて、眩しい笑顔で灰原がそう言った。
一週間しか経っていないのに随分信用されてるなぁ、なんて。
「⋯灰原はもう少し人を疑った方がいい」
「人を見る目はあると思ってるよ!」
『七海は⋯、疑いすぎて逆に騙されそう』
人数少ないなんてちょっと寂しい、なんて思ってたけど、これくらいの方が丁度いいのかもしれない。
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レモネード - いいですね! (5月28日 13時) (レス) @page8 id: abd64666f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 19時