検索窓
今日:21 hit、昨日:110 hit、合計:419,249 hit

ページ31

.






所変わってポーラタンク号船内。賞金首の部下三名を引き連れてやって来た船長───バロックは何かめぼしいものはないかと、船内を物色していた。

適当な扉を開いては机やら椅子やらを蹴り飛ばし、「何もねェな…」と呟きながら奥へと足を進めて──────






「…?人の気配だ」


「船長!この部屋怪しいぜ」


「ほう?人の気配か」






ある部屋───イッカクとAの女子部屋だ───の前で立ち止まった。

女か、子供か…どちらでもいいが、女なら連れ帰って精々使い倒してやろう。くく、と下品な笑みを浮かべたバロックは、部下に合図をして思い切り扉を蹴り破った。



鍵をかけていたとはいえ、部下の一人、体格のいいゴロタスが拳を一振りすれば、扉は簡単にひしゃげて飛んで行った。






「──ひゃッ」


「!イッカクさん、大丈夫?」


「う、うん…でも、アイツら…!」






バロックの読み通り、女が二人。それを見た彼らはニタリと笑みを浮かべ、ゆったりと二人に近づいた。






「よォ。俺はバロック、8000万の賞金首だ。一度くれェ手配書で見たことあんだろ?こいつらは俺の優秀な部下。全員5000万越えの首だ」


「バロック…何回か見たことある」






余裕そうな表情で立ち尽くす四人と、少しずつ冷や汗を浮かべ焦りが滲み出てくるイッカク。制服が洗濯中のためつなぎを着用しているAは、二人で待機していた時から変わらず無表情だ。

くい、と右手を挙げた瞬間、ゴロタスが素早い動きで二人の後ろに回り込み、片手でそれぞれの両腕を拘束した。



じたばたと抵抗をするイッカクだが、再度バロックが合図を送ると、メリケンサックを着けたリトが右腕を振り上げ、容赦なく彼女の左頬を殴りつけた。






「ッぅあ‶ぁ‶!!」


「!!イッカクさんッ、」


「おいおい抵抗するなよ?宝は見つからなかったが…女が二人もいたんだ。船に帰ったら楽しませてもらうぜ。それに、お前らだって顔に傷は作りたくねェだろう」


「ッげほ、もう手出してるくせに何を…ッ」


「くくッ、まァ威勢のいい女は嫌いじゃねェ…」






口の端が切れ、プッと血を飛ばしたイッカク。痛いはずでも涙は見せず、バロックとリトを睨みつけている。






.

・→←呪術師と敵襲



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (383 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1179人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。