【呪術廻戦】二級術師と大海賊時代【ONEPIECE】

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ローside






「勘違いさせないで、」


『勝手に勘違いしてんのはそっちだろうが。俺はさっきからピアス開けてやろうと思ってたんだが？』


「〜〜ッ…」






わざと指先の力を抜いて耳をなぞれば、ぴくり、と肩を揺らすA。ペンギンがそそられるとか言ってたのもわかる。まぁアイツ変態だし。

さっと消毒を済ませ、適当に彼女をからかって気を逸らせている間にバチン、と右耳にピアスを貫通させた。



「ッ、だぁ…！？」と、今まで聞いたこともない声を上げて耳を抑えた彼女は、きっ、と俺を睨んで、痛い…と呟いた。





『失敗はしてねェからいいだろ、それ外すんじゃねぇぞ』


「…性格悪」


『そりゃどーも』






コイツを拾った日から一週間ほどが過ぎたが、ペンギンだけでなく、俺も随分彼女に甘くなったな、とつくづく思う。

食事を摂る時は部屋から出ることが少し増えたし、夜更かしも減った。



──────別に、あの島で降ろしたって構わなかった。

確かに、あの島の夜の治安が悪いことは嘘ではない。彼女が船に乗ってから敵襲も特にないため彼女の実力は計り知れないが、海に一人で出るなら相応の実力はあるのだろう。

ただ、まだ、手放したくないと思った。






──────「一目惚れっすよ何か悪いか…！」






耳まで赤く染め上げて、震えた声でそう言い放ったペンギンの姿が脳裏に浮かんだ。

そんなに本気になったのは初めてじゃないか？と言った俺に、何か言いたげにぐ、と言い淀んだ。
あぁ、そうだな。俺も初めてだ。



ここまで、女に対して本気の感情を抱いたのは。






「あの、髪乾かさないと」


『…やれ』


「えー…面倒」






どこかで張りつめていた何かが途切れたのか、だいぶ砕けた口調になっている。いいからやれ、とタオルを差し出せば、渋々といった様子で受け取り、ふわりと俺の頭に優しく乗せた。






『…そのまま敬語取れ。堅っ苦しい』


「え？…あ、すみません」


『……』


「…、ごめん、」


『ん』






もうほとんど乾いてしまっているが、残った水分を吸い取るようにしてタオルを滑らせるAの手は、ベポの言っていた通り確かに気持ちいい。

彼女の髪からふんわりと柔らかい香りが漂う。



イッカクと同じものを使っているはずなのに、全く違う香りに感ぜられてしまうのは──────






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