呪術師とペンギン ページ12
.
───と、まぁ色々あったが無事に居候の許しが出た。船に乗る上での約束事をいくつか船長である彼──トラファルガー・ローさん──から言いつけられた。
まず、体調が全快するまでは医務室に寝泊まりをすること。その後は船に紅一点の船員さん──イッカクさん──と共に女子部屋に移動すること。掃除や洗濯などの雑用をこなすこと。船員さんたちや船内に憑いている呪霊を祓うこと。
──────そして、私の刀は船長さんが管理すること。
曰く、まだ私が安全だと判断されたわけではないから、ある程度の信用を得られるまでは返さない。とのことだ。まぁ、刀がなくても戦えるのでそこまで困りはしないが。
──────「お前の刀はこちらで預からせてもらう」
──────『はい』
──────「⋯お前がウチに無害だと判断できるまで返さねェ」
そう言って私の刀を持って恐らくだが自室へと戻って行った。私がどのくらいの時間寝ていたのかはわからないが、夕食をもらった時には陽が傾きかけていたため、今はもう窓の外は真っ暗だ。
⋯⋯やっぱり、目が冴えて眠れない。
ベッドの傍に置かれていた自身の靴を履き、ゆっくりと医務室の扉を開き外へ出た。目の前には海の暗さが果てしなく続いていた。
『───⋯!わ、綺麗』
ふと空を見上げてみると、電線やビルに遮られることも、雲がかかることもなく星が満天に広がっていた。
潮の匂いと、海風を感じ、少しの肌寒さを覚えつつもじ、と空を見つめる。
⋯そういえば、こうして上を見ることなんていつぶりだろう。
高専では任務続きで、醜い呪霊ばかり目にしていたから、心が洗われるような気がして、思わず目を細めた。
『⋯⋯七海と灰原、無事かな』
「──まだ起きていたのかアンタ」
『!!あ⋯』
「悪い、驚かせたか?」
そう言って隣に立ったのは私を海から拾い上げてくれた彼───ペンギンさん───だ。名前は船長さんに教えてもらった。
まぁ、結構寝てたしな。と言いながら私の肩に上着をかけてくれた。
どうやら彼は不寝番のようで、敵船が来ないかなどの見張りをしているらしい。気配を感じて来てみたところ私がいたようだ。
.
1180人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちあき(プロフ) - shionさん» 初コメありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!!続編までもう少々お待ちください!! (2022年9月29日 8時) (レス) id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
shion - 初コメ失礼します!!読んだら本当に止まらず、すっごく面白くて!!もっと早くに出会っていたかったですっ…!続編ずっと待ってます!! (2022年9月29日 1時) (レス) @page50 id: f0db8db4d6 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ttakedasaki0906さん» ありがとうございます!!そうですね、キッドさんも続編以降出せたらなとは思ってます!楽しみにしていて下さい!^^* (2022年9月28日 16時) (レス) id: 1ed832ee63 (このIDを非表示/違反報告)
ttakedasaki0906(プロフ) - ローの独占欲が最高すぎてニヤニヤしちゃいます笑!!キッドも好きなのですがキッドは登場予定はありますか!?(≧∀≦) (2022年9月28日 0時) (レス) @page50 id: 668cdece5e (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - きゃーぽんさん» わあ、、出会ってくれてありがとうございます!!頑張ります! (2022年9月27日 11時) (レス) @page34 id: 2fefdf0ec1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちあき | 作成日時:2022年9月22日 18時