奇跡の少女

練習嫌い ページ9

練習は嫌い。


でも負けたくない。


今日、先生から課された課題は3サルコウ。




A「やだなー…。」


そう。私は何故かサルコウが全く跳べないのだ。なんならトリプルアクセルの方が早く跳べた。




大きく助走をつけて、とびあがってもまわりきれずにおりてきてしまったり、パンクしたり、まわっても転ぶことがほとんどだ。



ほら、また転んだ。




奈々美「Aー！もっと腕締めて、足に力入れて！」



と奈々美先生から言われる。




先生の言っていることは分かる。でも出来ないのだ。




半分諦めかけていると、リンクの反対側で軽々とトリプルサルコウを決めているゆづくんの姿が。




昔からゆづくんに追いつきたいと思っていた。ゆづくんの方が年上で男子なのにゆづくんができて自分が出来ないのは嫌だった。




今もそう。




ゆづくんがいるとやる気になれる。






今日、絶対サルコウとんでやると心に誓った。







15分後…



A「やっぱ無理ー！」



でも私は練習が嫌いなわけですぐに諦めてしまった。



奈々美「無理じゃない！ほら、ちゃんとして！Aなら出来るはずよ！」



リンクの上で寝転んでいるとサーッと氷を削る綺麗な音が聞こえてきて



結弦「何してんの？笑」


と言われる。




A「どうしたら自分にそんなに厳しくなれる？」



結弦「え？何、急に笑」



A「まあ、いいや。ねえ、サルコウとんでよ。動画とるからさ。」



結弦「はいはい。笑」



私はカメラを取りに行くために一度リンクをあとにした。

お正月→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す