ナカノヒトゲノムでテーマにそって短編集！ なんとなんとの第２弾

カイコク編 ページ26

❤

(貴方)「ちょ、カイさんなに？」

カイさんはドアを開けようとする私の手を掴んだ。

カイコク「その格好で食堂に行くのか？」

今の格好…ミニのデニムタイトスカートに

翡翠色のキャミソールだけど何か問題あるの？

(貴方)「なんかダメだった？」

私がカイさんの方を見ると、

掴んでいた私の手を引っ張りドアに押しつけた。

痛みも少しあったけど、両手を拘束されるように

掴むカイさんが少し怖かった。

カイコク「さっき無理矢理はしないって言ったけど、

　 誘ってきるようにしか見えねぇ。

　 先に謝っとく、すまねぇ。」

そう言った次の瞬間、カイさんの中で何かが切れた。

カイさんのガッチリとした足が、徐々に徐々に上がっていく。

(貴方)「カイさ…っ！」

腰がぬけて、床に砕けるように落ちる私を受け止めた

カイさんは姫抱きをしてベッドにおろした。

その上からかぶさったカイさんを押しのけて、

部屋から出ていく力さえも私にはもう残っていない。

いや違う、少しだけこの先の展開に

期待してしまっている自分がいる。

恥じらいと、照れ隠しと、愛しさ、

様々な感情が私の中をぐるぐると巡る。

カイコク「火照ってらぁ、気持ちいいんだろ？

　 好きだ、誰よりも…愛してる。」

熱を帯びて、火照った私の体にキスを落としていく。

交わされる口づけには銀色の糸がはっていた。

(貴方)「私も、好き…カイさんのこと、大好きだよ。」

次に重なった唇は、今までしたどの口づけよりも

甘く、深く、私たちを繋ぐものになった。

―――――――――――――――――――――――――

―数時間後―

パチっと目が覚めて時計を見ると、

短い針が8を指していた。

さっきは6でえーと…2時間も私カイさんと…！

思い出すたびに恥ずかしくなる。

隣を見ると、着物が着崩れたカイさんがこちらを見ていた。

(貴方)「きゃっ、起きてたの…。」

カイコク「すっかり遅れちまった、食堂…行くでぇ。」

起き上がり、白い肌と首元の模様と鎖骨を

チラつかせながら崩れた着物をなおすカイさん。

私はそれをまじまじと見てしまう。

そんな私の姿を見てカイさんは、ニヤリと笑う。

カイコク「なんでぇ(貴方)、男の体に興味あんのかい？」

ゆでだこみたいに真っ赤な顔の私は、

恥ずかしさで言葉をもらしてしまった。

(貴方)「ち、違うよ！興味あるのはカイさんだもん！」

私が言ってしまった言葉を聞いて、

カイさんは驚いた表情を見せた。

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