【歌い手】たんぺんしゅう

さかたお ページ9

「じゃあ、好きな人とペアを組んで雪合戦してくださーい」




先生の声にみんなが声を揃える。いつもよりおっきい声。
え、なんでそんな元気なの？寒すぎて動けない私がおかしいみたいじゃん。






「Aーーーーペア組んでーーー」






「え、坂田？なんで？」






「ぼっちだったから」






「一回死んでこい」






ケラケラ笑いだす坂田。
あー、ほらすごい女子たちに睨まれてる。顔やば






「なんでわざわざ私なの？坂田なら誰とでも組めるでしょ」







「はぁ？そんなんAとが良かったからに決まってるやろ。俺はAがいーの。」







「ふーん…」







天然なのかタラシなのか分からないけど坂田はたまにすっごく恥ずかしいことを言ってくる。
まるで私のこと好きみたいじゃん。顔が熱い。






「さっさと雪合戦しよー、対決やで！！」





変なポーズをとってキメ顔をする坂田が可愛くて自然と笑みが零れる。
坂田といると笑顔が絶えない。そんな時間が好き。





「いっぱい当てるから！！覚悟しといて！」






「言ったなー！！それっ」






二人でわいわい騒ぎながら遊ぶこと30分。
二人ともだいぶ疲れてる。積もった雪の上にごろーん。





「…やっぱAとおるときが一番楽しいわ」






「………なにそれ、」






「本、読んだ？」






「読んだけど…」






「“今日は少し肌寒いですね”」







「え、」







「ふふ、手、繋いでええ？」








「_________いいけど」








微かに芽生えたこの気持ち、いつか自分の口で伝えたいな_______









__________肌寒いですね
　 手を繋いでください_________
　

明日も晴れるといいね*nqrse→←さかたん

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