【センラ】七夕だから

七夕だってのに ページ8

「Aちゃん！！おる！？」




「し、志麻くん…！？どうしたの」




「センラと何があった！？センラが荒れとるんよ！！」




もうお昼休みも終わって午後の授業が始まる直前。
髪を乱して走ってきた志麻くん。

センラが、？





「どこ、どこにいるの…！？」




「着いてきて！！」




センラが荒れてるなんて聞いたことない。
あの人は怒ったら相当に怖いから、
でも怒ったことなんて片手で数えられるくらい。


私じゃ止められないかもしれないけど

そんなセンラは見たくない。



気づけば脚が動いていた。









「もう終わりなんですかぁ…？くっそ弱いな」




体育倉庫の裏側
日も当たらないじめじめした暗い場所に
人を殴って嬉々とした表情を浮かべるセンラがいた。

あぁ、この顔。
見たことがある。

私の親が死んでしまったとき。
私の陰口を言う人と喧嘩して。


周りがなんて言ってもやめなくて。
私がセンラを抱き締めたときにやっと目に光を灯した。



なら



今回もやれることは1つだろう。


センラを止めなきゃ






「…っセンラ！！」




「離せっ……」



「いやっ！今離したらセンラが…センラじゃなくなる
　 私の好きな…大好きなセンラはどこ行ったの！！」

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