【センラ】七夕だから

七夕じゃなくても ページ6

「もうええ。いこか、」




さかたんが優しく手を引っ張ってドアの前にいたセンラを押し退ける。
センラは見たこともないような表情をしていた。酷く、嫉妬に染まって。

なんなの、私たち付き合ってもないのに。
私のこと好きなの、嫌いなの
はっきりしてよ、





「さっかたぁ……こわかった、」




「うんうん、ごめんなぁ怖がらせて。
　泣かせんって言うたすぐそばから泣かせてもうた」




怒鳴り合うふたりの殺気とセンラから離れた安心とで涙が溢れてくる。
またさかたんにすがって困らせる。
迷惑しかかけないのに。なんでそんなに優しいの。





「わたし、これからどうしよう」




「だーかーら、俺にしときって」




「やだ、センラがいいの」





しばらく腕の中で頭をぽんぽんされてた。
涙も気持ちも落ち着いて、今更授業になんて出れないから空き教室でおしゃべり。


さかたんがこうやっておどけた口調で話すからこんなフリ方になってしまった。
こんなの、きっと彼は望んでない。
もっと真剣に答えたかった。

でも今の私じゃどうやってもさかたんを傷つけてしまいそうで。
優しさに甘えてしまう。




「短冊にかけば叶うのかなぁ、」




「どうやろな…叶ったためしないし」




「よね、所詮は嘘か」




大嫌いな七夕。
こんなに嫌な思いをさせたんだから
今年くらい叶えてくれたっていいよね

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